優先株式とは? 活用事例やメリットデメリットを紹介

優先株式とは?

財務諸表やニュースを見ていると「優先株」と言った言葉を見ることが少なからずあると思います。

この優先株式は種類株式の一種であり、他の株式に比べて剰余金の配当や会社清算時の残余財産分配に関して優先的地位を持っている株式のことをいいます。

一方で議決権に関して一定の制限が付く株式です。

反対に普通株よりも剰余金の配当や会社清算時の残余財産分配権で劣る地位の株式を劣後株といいます。

優先株式の用途

優先株式は性質上、普通株式よりも利回りが確約されるだけ低リスクで社債よりも弁済順位が低いため高リスクであり、株式よりも低リスクで社債よりも高いリターンを求める投資家に対して発行されます。

日本では1990年代に大手銀行に対する公的資金の注入で銀行が発行した優先株を政府が買い取ったことで幅広く知れ渡るきっかけとなりました。

優先株式のメリット

優先株のメリットを投資家・経営者両者の視点で分析してみます。

資金調達を効率よくできる(企業側)

主に経営者側から見たメリットで優先株は配当金や、会社清算時の分配金など金銭的な面において有利に扱われるので普通株よりもは発行価額が高いのが一般的です。これを活かし日本のベンチャー企業も優先株を活用した資金調達が活発になりつつあります。

そのため、時価発行すると仮定して1つの株でより高額の資金を調達できるため資金調達の都合がいいです。

時間をかけて様々な点が改正されつつある商法の分野でも、株式等について柔軟な定めを置いた会社法が平成17年に制定されてから優先株式も扱いが容易になり資金調達に多く利用されています。

特に平成17年に会社法が制定されてからは優先株式も扱いやすくなり、通常投資してもらいにくい会社が投資家を集めるために活用するようになってきたのです。

自己資本増強に活用できる(企業側)

借入金と違う一番のポイントとも言えますが優先株を含む株式の発行によって得た払込金は会社の資本金及び資本準備金となるので、自己資本比率の改善に活用できます。

経営の自由度を維持できる(企業側)

優先株には、株主総会における議決権が一般的にありません。通常の株式では経営に参加する権利があるので、株主の議決権行使がありますが、優先株であれば株主に議決権を付与することなく出資を受けることができます。

経営に対する株主の影響を大きくしたくないのであれば有効な手段と言えます。

しかし、普通株式への転換条項がある場合は普通株に転換後議決権を株主に渡すことになります。

優先的に配当や残余財産分配が得られる(投資家)

投資家側の最大のメリットです。議決権がなくても経済的利益を重視した投資家にはとても魅力的な株式でしょう。

優先株式のデメリット

国内市場では浸透しておらず、日本ではまだ一般的ではない(両者)

優先株を発行するときには定款の変更に加えて、株主総会とは別途、種類株主総会を開催する必要があるなど新たな手間がかかります。実際に発行している企業やその発行額も多いとは言えない状況にあります。

そして、優先株は株式市場で売買できないものが大多数です。(日本国内では伊藤園優先株のみ)

発行規模も大きくない上に市場に出回っていないとなると、売却するなどして利益確定をするのが非常に難しくなります。

短期的な価格差で売却益を求める投資家に限らず、多くは最終的に株式を売却して利益確定をするだけにこの点は致命的と言えます。

そのため、取得条項付株式であったり普通株式への転換権が付与される例が多くあります。

救済手段といったイメージ(実例付き)

優先株はメリットでも解説したように自己資本増強にも活用され、経営難の時に救済措置として発行する会社もあります。イメージとしてはやはり「優先株の発行=経営難」と見られることが多いのも事実です。

アメリカやヨーロッパでは一般的な投資の1つとして広く認められていますが、日本では特別な手続きや優先株式(種類株式)の発行のために定款の変更を行う必要がある上、未だに発行額投資額ともに低く印象もいいとは言えません。

実際に大規模な優先株の発行は救済手段であることが多いです。

世界的に有名な事例だと、リーマンショック時にウォーレン・バフェット率いるバークシャーハサウェイ(BRK.A)(BRK.B)がバンク・オブ・アメリカが発行する5000億ドルのワラント(株式買取権)付きの優先株を引き受けた事例があります。

これは後に7.14ドルでワラント行使の上、全て普通株に転換されています。

他にもゴールドマン・サックス(GS)救済の50億ドルやゼネラル・エレクトリック(GE)に23億ドルなど大規模な優先株を使って企業に救済投資を行いバークシャーは利益を上げています。

配当、買い戻しコストがかかる

優先株には普通株式よりも大きな優先配当が一般的についています。これは会社に配当コストがかかることを意味しており、これを取得条項により買い戻すとしても多額の支出を要します。

議決権がない

株主総会に参加し議決権を行使するなど会社の経営に参加することが目的の投資家には、株主総会の議決権が与えられていないのは大きなデメリットとなるでしょう。

まとめ

優先株は経済的な利益を求める投資家にとっては非常に優れたものです。企業側からしてもいい事ばかりではないものの、資金調達に柔軟性がある点で有用な制度となっています。

ニュースなどで出てきたときはどのような場面で発行されたのか見てみましょう。

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