ウォルマート【WMT】の株価・銘柄分析と今後 世界最大の小売チェーン

ウォルマート【WMT】の基本情報と歴史

ウォルマートは世界最大の小売りチェーン店です。Amazonなどの通信販売に押され気味な面がありましたが、近年ウォルマートが新興ネット通販「ジェット」を買収したことでネット販売も堅調で株価・業績共に好調です。また、世界最大の売上額を誇る企業であり創業者サム・ウォルトンの一族による世界最大のファミリー企業でもあります。現在は世界27か国に進出し11500店舗を運営しており、日本法人としては西友を子会社化し展開しています。

元々徹底した低コスト経営を行い、消費者に商品を安く売ることで多くの顧客から支持を集め成長してきたことから低価格の商品を多く扱い、低所得層からの支持が強いとされています。

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 47年
S&P格付け AA
従業員数 2200000人
創業年 1945年
上場年 1972年
決算 1月

ウォルマート【WMT】の株価推移


Amazonなどに押され気味だったことで長らく株価が停滞していましたが、ウォルマート自身の通販事業が堅調だったことで2017年以降株価が飛躍的に上がっています。

新型コロナウイルスによるネット小売や買い溜め需要を受けて更に業績を伸ばし株価は大きく伸びています。

PERとPBRの推移

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

Amazonなど通信販売の攻勢を受けて停滞気味だった頃と通販事業に成功の兆しが見え始めた時期で市場からの機体が変わったことが明確にわかります。

の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。米国内での事業が65%ほどであり、その他が世界各国での事業となっています。

また、Sam’s ClubとはWalmartが有する会員制スーパーマーケットでその規模はコストコに次ぐ2番目と大きな規模を誇ります。この会員制収益も全体の1割を超える比率で重要な地位を占めています。

通信販売にも力を入れ始めた世界最大の小売店

実店舗を運営する小売店として、世界各地に展開しその規模を拡大して成功を収めてきたウォルマートですが、Amazonをはじめとし近年押し寄せるネット販売の波に押されつつありました。

しかし、既存の小売店としての規模も活かしながら新たにネット通販を開設し2018年にはインドのネット通販会社である、フリップカートを買収しAmazonに対抗する姿勢を鮮明にしました。

人口と経済状況からアメリカ、中国、インドに対して特に積極的な投資を行っており中国では中国国内2位のネット通販である京東と連携を始めました。

この取り組みは2020年の新型コロナウイルスにおけるロックダウン下で既に実績を出し、巣篭もり需要を見事に収益に結びつけることができました。

実店舗が抱える、人件費と言った費用負担をいくらか削減することができるきっかけにもなる可能性があり様々な面で恩恵をもたらすでしょう。

ウォルマート【WMT】の財務分析

直近5年をグラフにしてそれより前のデータがあるとより理解が深まると思われるものはグラフの外で更に5年ほど前まで載せています。

売上高と営業利益等の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
売上高 408,085 421,849 446,509 468,651 476,294 485,651
営業利益 6,387 6,618 6,660 7,520 8,360 27,147

 売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。売上高はゆっくりと成長を続けてきました。小売チェーンと言ったビジネス上、物価上昇を価格に転嫁することができその上で大規模仕入によるコスト削減ができるため、ビジネス上大きな優位性があります。

そのため、この成長は経済成長が続く限りいつまでも続くと見ることもできます。

営業利益と純利益の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益 6,387 6,618 6,660 7,520 8,360 27,147
純利益 3,206 3,905 3,390 4,180 4,535 16,363

世界各国で不採算店舗の閉鎖を行ったり、新たな投資も行っており営業利益自体は横ばいとなっています。しかし、ブラジルでの撤退に伴って発生した撤退損失のため2019年は大きく純利益が減少しました。

その後は従来より投資を続けてきた、ネット販売や不採算店舗の整理が功を成しつつあるため利益は上向く見通しです。

営業利益率と純利益率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益率 1.57% 1.57% 1.49% 1.60% 1.76% 5.59%
純利益率 0.79% 0.93% 0.76% 0.89% 0.95% 3.37%

 

小売事業であることから、あまり大きな利益率は見込めません。しかし、その規模で大きく収益を獲得し成長してきました。

安定して、4%近辺の営業利益を出せるなら小売事業としては優秀と言えます。

BPS・EPS・SPSの推移

2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
EPS 4.57 4.38 3.28 2.26 5.19

過去のデータ

2009 2010 2011 2012 2013 2014
EPS 3.71 4.46 4.52 5.02 4.88 5.05

 順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

売上高だけは年々成長しています。BPSとEPSに関しては営業利益のところで解説の通り停滞しています。

貸借対照表

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

少しずつ拡大しています可もなく不可もなくと言った内容と思います。

キャッシュフローの推移

2012 2013 2014
営業CF 25,591 23,257 3,984
投資CF -12,611 -12,298 -2,093
フリーCF 18,112 12,589 1,895

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

キャッシュフローは安定しています。この水準で安定しているのなら良いことでしょう。

ROE・自己資本比率・営業キャッシュフローマージンの推移

 こちらは経営の効率性を示すROE、健全性を示す自己資本比率、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

 自己資本比率はその名の通り総資産に占める自己資本の割合で計算されます。

 営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

 一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。5%近辺となってはいますが、小売事業であることを考えるとそれなりに高い数値であると思います。

設備投資額の推移

設備投資の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資が何を目的にしているかは見極める必要があります。

投資が落ち着いてきて現在は安定した規模で推移しています。

ウォルマート【WMT】の株主還元(配当と配当性向・増配率)

配当と配当性向・増配率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
配当 1.09 1.21 1.46 1.59 1.88 1.92
配当性向(%) 29.38% 27.13% 32.30% 31.67% 38.52% 38.02%

 配当金と配当性向の推移を記載しています。長年に渡る連続増配株でもあり、株主還元に積極的です。配当性向も低く抑えられており、今後も配当は続くとみられます。

発行済み株式数の推移

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

発行済み株式数は毎年減っており、自社株買いによる還元にも力を入れていることが窺い知れます。

まとめ

世界最大の小売チェーンとして実店舗で低価格な物を販売してきた同社ですが、通販の普及を受けて通信販売にも参入しました。人件費の削減ができ、利益率を向上させる機会もあると考えており今後に期待がかかります。

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