ウェルズ・ファーゴ【WFC】の株価・銘柄分析と今後 バフェットも投資した手堅い大手商業銀行

ウェルズ・ファーゴ【WFC】の基本情報と歴史

ウェルズ・ファーゴはゴールドラッシュにチャンスを見出したアメリカンエキスプレスの創業者でもあるヘンリー・ウェルズとウィリアム・ファーゴによって創業されたアメリカ西部を地盤とする保有資産額米国内3位(2019年10月現在)の金融機関です。アメリカ合衆国内における支店数では1位で、個人向けの業務を中心に行っています。なんと、ウェルズ・ファーゴだけを展示した歴史博物館まであるそうです。

投資銀行業務が収益の中心となっていることの多い大手金融機関としては珍しく、ウェルズ・ファーゴは伝統的な商業銀行を中心とした保守的な経営方針でも有名です。リーマンショック前にバンク・オブ・アメリカがメリルリンチを吸収合併しサブプライムローン証券の不正販売による罰金166億ドルを被るなどして、莫大な痛手を負ったのと裏腹に同じ時期にワコビアをウェルズ・ファーゴは買収していますが、これは業績にいい影響を早期から与えています。また、ウォーレン・バフェット率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは筆頭株主であり2020年に大半を売却するまでウェルズファーゴをポートフォリオの主軸に据えていました。

情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 0年
S&P格付け A-
従業員数 259800人
創業年 1852年
上場年 1962年
決算 12月

ウェルズ・ファーゴ【WFC】の株価推移

長期的には右肩上がりで成長を続けてきましたが、2016年9月に顧客の許可なしに口座を開設・クレジットカードの発行を行うなどの不正が発覚し、それをきっかけに保険の二重加入・住宅ローン手数料の不正徴収まで発覚たことで連邦準備制度理事会(FRB)からリスク管理体制を立て直すまで資産拡大を禁じるという業務改善命令を受けています。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大による95億ドルにも上る貸倒引当金の計上や経営の圧迫も受け2020年の第二四半期決算で24億ドルの赤字となりました。赤字決算を発表するのは2008年以来です。

これらで株価はリーマンショック後の水準となっており、非常に低い数値で推移しています。

信頼回復の途上で起こった、経済環境による利上げ中止、利下げ、新型コロナと非常に厳しい環境となっています。

また、バフェット氏の長期保有銘柄でもありましたがバークシャー・ハサウェイは6月から9月の間にウェルズ・ファーゴの株式を売却しており、その保有比率は7.8%から3.3%に下がりました。

PERとPBRの推移

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

1.3倍ほどで推移していましたが、新型コロナウイルスによる先行き不安が表面化して株価が急落してからは解散価値を下回ることを意味するPBR1倍以下である20ドル台前半で推移しており、非常に割安となっています。

2020年11月3日現在 株価21ドル90セント PBR0.48倍 PER5.37倍

ウェルズ・ファーゴ【WFC】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。商業銀行部門が過半数を占め、資産運用その他銀行業務で事業をバランスよく行っています。

国・地域別売上高比率

ウェルズ・ファーゴはほぼ100%を米国内で営業を行っており収益源も同じです。

商業銀行部門に専念する手堅い経営

ウェルズ・ファーゴは長い歴史を持ち、他のメガバンクが投資銀行部門を手に入れ華やかな収益を上げている近年でもリテール部門のみを有する商業銀行として、手堅い経営に専念しています。

しかし、2020年はこれが仇となりロックダウンなどで経済が停滞した際は貸倒れ及び引当金の増加をカバーできるトレーディング収益が無い事から商業銀行部門の悪化がそのまま業績の悪化となっています。

これを受けて、更なる人員削減や資産運用部門の売却など様々な改革を進めようとしています。

ウェルズ・ファーゴ【WFC】の財務分析

直近5年をグラフにしてそれより前のデータがあるとより理解が深まると思われるものはグラフの外で更に5年ほど前まで載せています。

※銀行セクターは特殊な財務状況をしています。投資をする上で分かりやすく伝えることに主眼を置いて書いていますので細かい説明は避けますが、一般的な投資対象として見る際は営業収益・純利益・自己資本比率・株主還元状況を主に見ていただくといいでしょう。

営業収益と純利益の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業収益 66,996 69,342 73,066 78,839 81,456 82,952
純利益 17,998 19,001 23,656 28,471 21,878 23,057

営業収益と純利益の推移を示しています。2016年の不正により、連邦準備制度理事会から規制を受けていますがそれでも堅調な数字を維持し続けています。

純利益率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
純利益率 26.86% 27.40% 32.38% 36.11% 26.86% 27.80%

低金利により利鞘が圧迫されたり、人件費など経費の高騰などで利益率は落ち目ですがそれでも20%台を維持しています。

2018年の9月に3年間で全従業員の5~10%に当たる数の人員削減を発表し、2020年の10月には更に人員削減を開始しました。これにより最大、数万人の削減が加速されるとの見方も出ています。

BPS・EPS・SPSの推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
EPS 4.12 3.99 4.1 4.28 4.05

過去のデータ

2009 2010 2011 2012 2013 2014
BPS 19.95 22.37 23.98 27.66 29.5 32.21
EPS 1.75 2.21 2.82 3.36 3.89 4.1

 順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

規制の中でも自社株買いなどあらゆる手段を駆使して株主にとっては着実な成長を続けてきました。しかし、今回の新型コロナウイルスの影響もあり2020年で大きく減収の見通しです。

貸借対照表

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

キャッシュフローの推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
フリーCF 28,613 18,772 13,665 58,540 57,641 17,529

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

ROE・自己資本比率・営業キャッシュフローマージンの推移

 こちらは経営の効率性を示すROE、健全性を示すROE、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

 自己資本比率はその名の通り総資産に占める自己資本の割合で計算されます。

 営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

 一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。

これらの指数はいずれも基本的には安定しています。成長路線に入れるように早く信頼回復を成し遂げ、連邦準備制度理事会による規制が緩和される事を願う限りです。

ウェルズ・ファーゴ【WFC】の株主還元(配当と配当性向・増配率)

配当と配当性向・増配率の推移

 配当金と配当性向の推移を記載しています。安定した事業を背景に健全な配当性向の元で増配を続けてきましたが、2020年の第二四半期決算で赤字となったのを受けて、51セントの四半期配当を11セントに削減する決定をしました。

これにより、高配当ではなくなってしまいましたが景気回復時に再び高配当株として返り咲く事が望まれます。

発行済み株式数の推移

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

自社株買いに関しても連邦準備制度が配当及び自社株買いに対する規制を発表した事を受けて停止しています。それまでは毎年続けてきており、株主還元への日常的な考えを読み取る事ができます。

まとめ

バフェットも売り、株価は2010年来の水準にまで落ち込みました。金利と経済の状態が鍵を握っているでしょう。

消費者と最も近い事業を行っており、消費者の動向に注目が欠かせません。

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