ベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】の株価・銘柄分析と今後 5Gを一早く商用化した大手通信キャリア

ベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】の基本情報と歴史

ベライゾン・コミュニケーションズはAT&Tと並ぶアメリカの大手通信事業者です。米国内ではAT&Tに次ぐ規模でほとんどこの2社がシェアを占めています。アメリカの1億1千万人を持つベライゾン・ワイヤレスを傘下に持ちその他消費者向けにインターネット・音声・データ通信を提供しており、また政府機関向けや大企業にグローバル・セキュリティ・クラウドサービスも提供している米国の代表的通信事業者です。ネット広告事業を拡大するために2015年にAOLを買収し、さらに米ヤフーを買収するなど通信料以外の収益源を拡大すべく取り組んでいます。

次世代5G技術の商用化をいち早く行い現在は対応端末の拡充やネットワークの高速化に注力し、通信事業でさらなる高速ネットワークの提供を目指しています。

13年の連続増配銘柄であり、配当収入が長期にわたり期待できる銘柄です。

また、NYダウ平均30種の構成銘柄でもあります。

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 13年
S&P格付け BBB+
従業員数 135000人
創業年 1983年
上場年 1983年
決算 12月
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ベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】の株価推移


ベライゾン・コミュニケーションズの株価(2019年10月28日現在)です。ITバブル期の株価を超えられない状態が続いてはいますが、現在株価は上昇し当時の株価を超える兆しが見えつつあります。

実際に5Gを活かした事業が始まり、そのスタートをいち早く切ることが出来ただけに先行者としてどこまでやれるかが注目されています。

コンテンツ事業への参入を進めるAT&Tとは対照的に通信事業への特化姿勢を示しています。株価チャートを見れば、通信事業に特化しようとするベライゾンの方が高い評価を受けているようにも見えます。

PERとPBR・配当利回りの推移

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
PER 12.29 19.33 10.58 16.63 7.19
PBR 3.62 15.8 11.46 9.66 5.01
配当利回り 4.3 4.51 4.33 4.72 4.91
2018年 2019年 2020年
PER 14.95 13.2 13.66
PBR 4.37 4.14 3.58
配当利回り 4.23 4.35 4.56

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

ベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。個人と法人向けの通信事業が大多数の比率を占めます。5Gによるデータ通信需要でどこまでその売上を拡大する事ができるかが鍵となるでしょう。

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AT&Tとは違った方向性

前述のようにベライゾン・コミュニケーションズはAT&Tに次ぐ規模の大手通信会社であり、2社でアメリカの市場を圧倒していますがその将来的な方向性は大きく違います。

AT&TはディレクTVやワーナーメディアの買収を通じてストリーミング配信事業に参入、ベライゾン・コミュニケーションズは5Gをいち早く商用化しその通信品質を更に向上させるべく投資と対応端末の拡充を進めています。

高速通信需要が高まり、2019年の業績は好調でした。2020年以降その流れと活用範囲は更に広がると見られますので経営陣は業務効率化などによるコストカットで増収増益を狙っています。

第5世代移動通信システム(5G)

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は同業のAT&Tがコンテンツ事業を拡大しているのと対照的に通信通信事業を第一に投資を行っており、M&Aによる新規事業取得よりも米ヤフー等の同業者の買収による技術向上、通信ネットワークの改良・改善を最優先する戦略に取り組んできました。

特に直近では5Gへの先行投資がその例と言えます。2018年に同業の通信大手であるAT&T(T)との買収合戦を行った末、ストレート・パス・コミュニケーションズを買収し5G回線開発の競争で優位に立っています。

この5Gは回線速度の上昇と更なる収益をもたらすことが期待されており、通信業界のみならず、自動運転に加えクラウド、医療・ヘルスケアも含めた様々な分野での活用が模索されているため世界中からの注目を集めています。

成長性が衰えている通信事業

通信事業者等には共通のポイントとして、現在の携帯電話普及率これまで爆発的な増加をしてきましたが飽和状態となりこれ以上は難しく頭打ちになった状況で成長性に欠けています。

さらにIT業界ではGoogle、Apple、Amazon、Microsoftなど非常に強力な企業が多く競争も激化しています。

現在ベライゾンは更なる通信インフラの改良とコスト削減に取り組んでいるうえ米国は人口増加が予想されており、その人口増加に伴い通信料収入は伸びるとされるのですがそれでも非常に時間がかかり緩やかな成長となるでしょう。

 

ベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】の業績データ

売上高と営業利益等の推移

グラフA 売上高と利益

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高 107,808 106,565 110,875 115,846 120,550 127,079 131,620 125,980 126,034
営業利益 18,825 14,645 12,880 13,160 31,968 19,599 33,060 27,059 29,188
純利益 4,894 2,549 2,404 875 11,497 9,625 17,879 13,127 30,101
2018年 2019年 2020年
売上高 130,863 131,868 128,292
営業利益 26,869 30,470 28,798
純利益 15,528 19,265 17,801

 売上高と営業利益の推移を示しています。

 

 

営業利益率と純利益率の推移

グラフC 営業利益率と純利益率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業利益率 17.46% 13.74% 11.62% 11.36% 26.52% 15.42% 25.12% 21.48% 23.16%
純利益率 4.54% 2.39% 2.17% 0.76% 9.54% 7.57% 13.58% 10.42% 23.88%
2018年 2019年 2020年
営業利益率 20.53% 23.11% 22.45%
純利益率 11.87% 14.61% 13.88%

 売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。

非常に緩やかながらも成長していると言えるでしょう。

営業利益と純利益はその年に起きる様々な要因により若干の幅があります。売上高の成長と共に営業利益も成長していっており、まだまだ成長余地があることをうかがわせます。

営業利益率・純利益率・売上高成長率の推移

グラフD 成長率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高成長率 -1.15% 4.04% 4.48% 4.06% 5.42% 3.57% -4.29% 0.04%
営業利益成長率 -22.20% -12.05% 2.17% 142.92% -38.69% 68.68% -18.15% 7.87%
純利益成長率 -47.92% -5.69% -63.60% 1213.94% -16.28% 85.76% -26.58% 129.31%
2018年 2019年 2020年
売上高成長率 3.83% 0.77% -2.71%
営業利益成長率 -7.95% 13.40% -5.49%
純利益成長率 -48.41% 24.07% -7.60%

 

営業利益率と純利益率に関して、これは十分な数値と言えるでしょう。設備の維持管理に莫大なコストがかかる業界としては相当優秀な部類の企業であると思います。

1株の価値(BPS・EPS・SPS・CFPS)の推移

グラフE 1株の価値

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
BPS 13.64 13.78 11.6 12.22 3.99 3.23 5.02 6.58
EPS 1.72 0.9 0.85 0.31 4 2.42 4.37 3.21 7.36
2018年 2019年 2020年
BPS 13.19 14.25 15.72
EPS 3.76 4.65 4.3

 

グラフE2 1株当たりの売上高

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりの売上高(SPS) 37.62 39.05 40.48 41.95 31.92 32.16 30.83 30.82
2018年 2019年 2020年
1株当たりの売上高(SPS) 31.67 31.85 30.97

グラフE3 EPSと1株当たりフリーCFの比較

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりフリーCF(CFPS) 5.97 4.77 3.97 7.53 3.29 2.74 1.25 1.83
2018年 2019年 2020年
1株当たりフリーCF(CFPS) 3.93 4.08 5.18

順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)CFPS(1株あたりフリーキャッシュフロー)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

CFPSは会計上の利益では無くフリーキャッシュフローの面から数字を出します。基本的にEPSと一致しますが、会計処理の方法が変わったり「純利益は減少したがフリーCFは増加した」場合などにより正確な情報を読み取る事ができます。

直近のEPSは概ね横ばいとなっていますが、5Gの対応に伴う莫大な設備投資があった上でのことだと考えると仕方ない面があるかもしれません。

BPSは年々増加傾向であり、足元の土台を固めてきています。

キャッシュフローの推移

グラフH キャッシュフロー

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業CF 31,486 38,818 30,631 38,930 22,715 25,305
投資CF -20,502 -14,833 -15,856 -30,043 -10,983 -19,372
財務CF 26,450 26,450 -57,705 -15,015 -13,322 -6,734
フリーCF 11,376 21,634 13,086 11,213 5,122 7,475
2018年 2019年 2020年
営業CF 34,339 35,746 41,768
投資CF -17,934 -17,581 -23,512
財務CF -15,377 -18,164 1,325
フリーCF 16,252 16,909 21,450

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

ここでは主に営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローを紹介します。投資や財務コストに関しては設備投資やインスタント・カバレッジ・レシオを参照ください。

EPSや営業利益などとは少し違い、キャッシュフロー自体は比較的良好です。営業キャッシュフローは増加傾向にあり、フリーキャッシュフローも安定した金額を維持しています。

グラフS キャッシュフロー比率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業キャッシュフロー成長率 5.7 -10.74 5.73 23.29 -21.09 27.09 -41.65 11.4
フリー・キャッシュ・フロー成長率 16.44 -19.93 -15.96 90.17 -39.51 -14.31 -54.32 45.94
売上高に対する投資の規模 15.44 14.65 17.36 14.25 13.81 21.06 13.96 14.15
2018年 2019年 2020年
営業キャッシュフロー成長率 35.7 4.1 16.85
フリー・キャッシュ・フロー成長率 117.42 4.04 26.86
売上高に対する投資の規模 13.82 14.28 15.84

営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローの成長率と売上高に対する投資の規模を示しています。

投資がどれだけ売上高に結びついているかを知ることができます。

の株主還元の推移

配当金・配当性向・増配率の推移

グラフF 配当と配当性向・増配率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
配当 1.87 1.93 1.98 2.03 2.09 2.16 2.23 2.29 2.33
配当性向(%) 108.72% 214.44% 232.94% 654.84% 52.25% 89.26% 51.03% 71.34% 31.66%
増配率 3% 3% 3% 3% 3% 3% 3% 2%
2018年 2019年 2020年
配当 2.38 2.44 2.48
配当性向(%) 63.30% 52.47% 57.67%
増配率 2% 3% 2%

 配当金と配当性向の推移を記載しています。配当金は13年に渡る連続増配が行われており、少しずつ増加しています。

配当性向はAT&Tに対してもかなり良好でまだまだ増配余力があるように感じられます。このあたりも投資家に好感されてきた理由の一つと言えるでしょう。

発行済み株式数の推移

グラフL 発行済み株式数

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
発行済み株式数(百万) 2,833 2,839 2,862 2,874 3,981 4,093 4,086 4,089
2018年 2019年 2020年
発行済み株式数(百万) 4,132 4,140 4,142

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

 

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ベライゾン・コミュニケーションズ【VZ】の財務諸表と財務データ

貸借対照表

グラフO・P 貸借対照表

2010~2017

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
現金・短期投資 3.28 6.05 1.58 19.75 4.79 1.97 1.18 0.81
売掛金・売掛債権 5.35 5.11 5.58 4.54 6.01 5.5 7.17 9.14
棚卸資産 0.51 0.41 0.48 0.37 0.5 0.51 0.49 0.4
その他の流動資産 1.01 1.85 1.79 1.24 1.43 1.12 1.97 1.29
有形固定資産 39.87 38.37 39.36 32.45 38.65 34.15 34.71 34.44
無形固定資産 45.82 44.47 47.87 38.74 45.43 49.15 50.28 49.71
その他の長期資産 4.15 3.73 3.34 2.91 3.19 7.59 4.2 4.21
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
買掛金 2.29 2.32 2.74 2.28 2.42 2.63 2.92 2.76
短期借入金 4.39 2.69 2.53 1.81 1.18 2.67 1.09 1.35
未払税金 0.67 0.6 0.69 0.72 0.63 0.84 0.62 0.58
未払負債 6.18 5.22 5.93 4.57 4.16 4.49 4.53 4.96
その他の短期負債 4.28 6.22 3.71 3.06 3.74 3.78 3.34 3.27
長期借入金 26.36 27.87 27.55 41.22 47.78 42.64 43.45 44.47
その他の長期負債 33.35 35.17 37.67 28.49 34.77 36.2 34.77 25.74

2018~

2018年 2019年 2020年
現金・短期投資 1.04 0.89 7.01
売掛金・売掛債権 9.48 8.72 7.56
棚卸資産 0.5 0.49 0.57
その他の流動資産 2.06 2.75 2.12
有形固定資産 33.71 39.29 37.08
無形固定資産 48.53 44.2 41.17
その他の長期資産 4.68 3.67 4.5
2018年 2019年 2020年
買掛金 2.75 2.66 2.12
短期借入金 2.73 3.6 1.87
未払税金 0.56 0.61 0.45
未払負債 5.24 4.24 3.99
その他の短期負債 3.13 4.35 4.16
長期借入金 40.22 34.43 39.1
その他の長期負債 25.19 28.97 26.78

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

総じて負債が大きい会社でありながら、殆どは長期債務であり流動資産比率は若干低いもののすぐに問題が出てくると思われるほどではありません。有形固定資産に該当する設備投資を進めたため貸借対照表が大きくなっています。

グラフR 損益計算書(費用と利益)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上原価 41.43 41.38 39.95 37.24 39.29 39.93 40.82 40.91
売上総利益 58.57 58.62 60.05 62.76 60.71 60.07 59.18 59.09
販売費及び一般管理費 29.43 32.13 34.49 22.47 32.28 22.78 25.06 22.48
研究開発費
その他 15.39 14.88 14.21 13.78 13.01 12.17 12.64 13.45
営業利益 13.74 11.62 11.36 26.52 15.42 25.12 21.48 23.16
資産運用利益 -1.84 -2.16 -2.82 -2.23 -3.41 -3.66 -4.82 -6.82
2018年 2019年 2020年
売上原価 42.42 41.5 39.91
売上総利益 57.58 58.5 60.09
販売費及び一般管理費 23.75 22.74 24.61
研究開発費
その他 13.3 12.65 13.03
営業利益 20.53 23.11 22.45
資産運用利益 -5.54 -5.87 -3.77

業績の蘭で紹介済みの収益に対応した損益計算書の費用項目と残った利益を表記しています。

財務状態と健全性

グラフG 財務データ

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
有利子負債比率(%) 30.75 30.56 30.08 43.03 48.96 45.31 44.54 45.82
自己資本比率(%) 22.47 19.93 19.18 17.85 5.32 6.75 9.28 16.86
2018年 2019年 2020年
有利子負債比率(%) 42.95 38.03 40.97
自己資本比率(%) 20.19 21.15 21.53

ここでは、有利子負債比率・自己資本比率を紹介します。この自己資本比率と有利子負債比率は企業の健全性を大きく表しているので注目しましょう。

グラフQ 財務比率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
流動比率 0.73 1.01 0.79 2.62 1.06 0.64 0.87 0.91
当座比率 0.62 0.84 0.6 2.46 0.9 0.52 0.67 0.77
財務レバレッジ 5.7 6.41 6.79 7.06 18.92 14.89 10.84 5.97
負債比率 1.17 1.4 1.44 2.31 8.99 6.31 4.68 2.64
2018年 2019年 2020年
流動比率 0.91 0.84 1.38
当座比率 0.73 0.62 1.16
財務レバレッジ 4.98 4.75 4.67
負債比率 1.99 1.94 2.08

流動比率、当座比率、財務レバレッジ、負債比率を示しています。

流動比率は流動負債に対する流動資産の割合で計算され、短期的な支払い能力を示しています。当座比率は、流動資産の中で「現金預金」「受取手形」「売掛金」などの現金化しやすい資産だけで計算される、流動比率よりも厳しい基準で見た短期的支払い能力の指標です。

財務レバレッジ銀行借入や社債発行などを活用して自己資本を梃子(レバレッジ)にどれだけ負債を活用しているかを示しています。後述される自己資本比率の逆数関係にあり、負債をどのくらい有効活用しているかを表すため、この倍率が高くなると、負債増加によるリスクが顕在化するため注意する必要があります。

 

設備投資額と研究開発費・減価償却費の推移

グラフJ 事業投資

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
設備投資 16,554 17,010 17,583 17,090 16,891
減価償却費 16,619 16,652 15,994 15,970 16,754
2018年 2019年 2020年
設備投資 16,906 17,267 18,531
減価償却費 17,879 16,846 16,871

設備投資や研究開発費・減価償却費の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資や研究開発費が何を目的にしているかは見極める必要があります。

これらにより企業がどのように投資を行っているかを知る事ができます。

ROE・ROA・営業キャッシュフローマージンの推移

グラフI 経営の効率性

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
ROE(自己資本利益率) 6.36 6.45 2.53 31.94 37.65 124.48 67.4 91.74
ROA(総資産利益率) 1.14 1.07 0.38 4.61 3.8 7.49 5.37 12.01
営業CFM 31.31% 26.86% 27.18% 32.20% 24.10% 29.58% 18.03% 20.08%
2018年 2019年 2020年
ROE(自己資本利益率) 32.27 33.64 27.55
ROA(総資産利益率) 5.95 6.92 5.85
営業CFM 26.24% 27.11% 32.56%

こちらは経営の効率性を示すROEとROA、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

ROAは総資産利益率を表しており、会社が有する資産を活用してどれほどの利益を上げる事ができているかを表しています。

営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。

グラフI-2 経営の効率性2

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
投資資本利益率(ROIC) 4.69 5.58 2.85 12.49 10.38 16.66 12.38 22.62
インタレスト・カバレッジ・レシオ 6.03 4.71 4.85 11.98 4.11 6.74 5.8 5.35
資産回転率 0.48 0.49 0.51 0.48 0.5 0.55 0.52 0.5
2018年 2019年 2020年
投資資本利益率(ROIC) 11.89 12.9 10.17
インタレスト・カバレッジ・レシオ 5.06 5.81 6.64
資産回転率 0.5 0.47 0.42

こちらでは投下資本利益率(ROIC)、インスタント・カバレッジ・レシオ、資産回転率の推移を示すグラフを掲載しています。

投下資本利益率は自己資本や有利子負債も含めた事業活動のために行われた投資がどれだけの利益を生み出したかを数字にしています。

インスタント・カバレッジ・レシオは、会社が営業活動により生み出す利益(基本的に営業利益)と金融収益(受取利息と受取配当金が主に該当)が、毎年の支払利息をどの程度上回っているかを示しており、 企業の財務健全性を示す数値であり、この数値が高いほど金利の支払いなどに関して財務的に余裕があります。反対に比率が低いと営業収益のうち多くの割合が支払利息に当てられる形で負債元本が減らず、財務上厳しい状態にあります。

総資産回転率は企業の資産が効率的に売上に結びついていることを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。

財務効率と回転率等

ここでは財務効率などに関連した数値を解説していきます。

グラフU 財務効率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売掛金回収期間 41.71 38.77 38.36 37.87 37.96 38.06 44.86 59.38
在庫日数 14.14 8.24 7.95 8.52 7.94 8.35 8.71 7.92
回収期間 34.2 32.34 35.23 39.41 38.56 41.63 47.82 50.08
現金循環日数 21.65 14.67 11.08 6.97 7.33 4.78 5.75 17.21
2018年 2019年 2020年
売掛金回収期間 67.77 69.93 70.2
在庫日数 7.79 9.2 11.47
回収期間 47 49.88 51.3
現金循環日数 28.56 29.25 30.36

ここでは、売掛金回収期間と在庫日数、回収期間、現金循環日数を紹介していきます。

売掛金回収期間は売掛金がどれくらいの期間をかけて回収されているかを日数で表しており、その日数が短いほど現金化までにかかる期間が短く資金を効率的に活用できていることになります。

在庫日数は在庫として滞留している日数を表しています。在庫として保有している商品の総数が売上の何日分と言い換えることも出来、この日数が少ないほど在庫量は適正な数にコントロールできていると考える事ができます。

回収期間は投資金額が投資によって生まれるキャッシュフローで計算して何年で回収することが出来ているかを表します。設備投資に関する収益性計算には様々な方法が存在しますが回収期間を指標とした場合、この期間が短いほど安全に効率的な投資ができていると考える事ができます。

現金循環日数は「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」とも言われ、企業が商品を仕入れるために支出を行なってから売上及び売上債権の回収によって現金を得るまでの期間を指します。この日数が長いほど、手元の現金が減っている期間が長い事になり資金繰りの懸念が現れるため、経営状態を表す重要な指標とも言えます。

グラフV 財務効率 回転率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上債権回転率 8.75 9.41 9.51 9.64 9.62 9.59 8.14 6.15
棚卸資産回転率 25.82 44.3 45.93 42.85 45.96 43.71 41.91 46.11
固定資産回転率 1.19 1.26 1.31 1.36 1.42 1.52 1.5 1.45
 資産回転率 0.48 0.49 0.51 0.48 0.5 0.55 0.52 0.5
2018年 2019年 2020年
売上債権回転率 5.39 5.22 5.2
棚卸資産回転率 46.84 39.69 31.82
固定資産回転率 1.47 1.29 1.11
 資産回転率 0.5 0.47 0.42

ここでは、回転率を中心に解説します。売上債権回転率、棚卸資産回転率 固定資産回転率 資産回転率を紹介しています。

売上債権回転率は会社が有する売上債権の回収がどのくらいの期間で行われているかを示す指標で、この数字が低いほど債券の回収に時間がかかっており、資金の効率的な活用が妨げられている事になります。

棚卸資産回転率は在庫回転率と言われることもあり、仕入から売上に至るまでの在庫期間によって適切な在庫量などの判断をするための指標であり、在庫を減らしている会社はこの比率が高くなります。在庫回転率が低いと言う事は顧客に販売される事なく在庫として保持する数が多く、管理コストや廃棄リスクを負っていることになります。

固定資産回転率は保有する固定資産が効率的に活用されているかを示しています。この比率が低い場合は保有する固定資産が有効に活用されることなく滞留している疑いがあり、固定資産への投資が過剰である可能性があります。

総資産回転率は企業の資産がどれだけ効率的に売上に結びついているかを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。売上高が総資産の何倍あるかを見ることでその売上に貢献した企業の総資産がどれほど効率的に活用されているかを測ります。(「グラフI-2 経営の効率性2」で解説済みです)

まとめ

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は米国内でAT&T(T)に並ぶ2強で、通信事業に力を入れ続けてきました。5Gに関しては業界内でリードしています。良くも悪くも安定した、高配当連続増配銘柄であり配当狙いの投資にはお勧めです。基本的には成熟企業ですが営業利益も上がっており、5Gの行先次第ではさらなる成長が見込めます。

このようにAT&Tと並ぶ通信会社でありながら違った同社とは違った路線を歩んでいます。将来的により成長するのは通信事業に専念したベライゾンか、配信事業にも力を入れたAT&Tなのか今後の世界の流れで変わります。

どちらも増配を続けており、配当金を目的に投資するにはかなり良い企業です。

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