AT&T【T】の株価・銘柄分析と今後 通信最大手であり高配当の代表格

AT&T【T】の基本情報と歴史

AT&Tはアメリカ合衆国の大手情報通信会社です。電話・無線・データ通信などに加え、インターネット回線、衛星放送・電話帳広告など情報通信に関する広範な事業を手掛けています。かつては電話事業を独占していましたが80年代に地域電話会社を分社化しました。歴史上、非常に長い間複数回に渡って司法省から訴訟を起こされています。直近では2018年のワーナー買収でも毎度のように反トラスト訴訟を起こされ2019年に司法省が上訴を断念する形で決着しています。

1983年に分社化したSBCコミュニケーションズから2005年に買収され、SBCコミュニケーションズ側が社名変更したことにより現AT&Tは誕生していますが、圧倒的な知名度、ブランド力を誇るAT&Tの名前、認知度を利用したい思惑に加えてニューヨーク証券取引所における一文字ティッカーである(T)を残したいという考えが当時の経営陣にあったと言われています。

高配当銘柄の代表格ともいえ連続増配株であります。以前はバフェット銘柄の一つでした。売却した理由も、継続して成長する企業ではない点で投資方針に合わないことが理由であったため会社の見通しそのものに対する疑念ではありませんでした。

ブロードバンド回線を幅広く担っており、携帯電話も含めた通信網の一環として極めて重要なインフラを担っている企業だけあって安定性は抜群です。衛星放送最大手であったディレクTVを2016年に買収、そしてワーナーメディアを2018年に買収しさらにコンテンツ事業拡大を目指しています。

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 35年
S&P格付け BBB
従業員数 247800人
創業年 1983年
上場年 1983年
決算 12月
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AT&T【T】の株価推移


AT&Tの株価(2019年10月28日現在)です。株価は21世紀初頭のインターネットバブル期の最高値を突破できていませんが基本的に20~40ドルのレンジ相場と言った感じです。配当金を狙って投資する株としては十分すぎるぐらいのものだと思います。

2020年に5Gサービスの展開進み、ワーナーメディアの買収により2019年は増益を達成するなど比較的好調な状況です。

買収を重ねた事で有利子負債の額は世界でも有数の企業のなり、負債の圧縮が当面の課題となりそうです。

PERとPBR・配当利回りの推移

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
PER 10.37 28.13 14.54 20.26 8016
PBR 2.02 2.02 1.72 2.12 1.69
配当利回り 5.3 5.68 5 4.65 5.37
2018年 2019年 2020年
PER 10.02 20.63
PBR 1.13 1.54 1.27
配当利回り 6.77 5.62 7.06

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

成長があまり期待されていないためにPERは比較的割安気味です。配当狙いにはちょうどいいポイントと言えるでしょう。

AT&T【T】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。通信関連事業が非常に大きく、通信回線と配信関連で60%程度を占めています。

メディア事業を今後大きく成長させようと経営陣は取り組んでいます。

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国・地域別売上高比率

その企業の売上高が地球上のどこで生み出されたものなのかを表しています。90%近くをアメリカで稼いでいますが、残りは意外と世界中に満遍なく広がっています。

近年力を入れるストリーミング配信

携帯キャリアとして米国内のシェア1位ですが、このIT化の時代で総合通信企業であるだけでは限界を感じ、ディレクTVやワーナーの買収を通じて近年トレンド化しているストリーミング配信に参入しようと力を入れています。

そのために長期債務が増加したり、財務上の懸念が取り沙汰されたりはしていますが5Gの新たな可能性といった追い風になり得る要素もあります。

通信回線に無限の可能性があり今後様々なビジネスに活用されていくとなれば通信会社の役割は大きくなるでしょう。

通信網を生かし広範なコンテンツの提供者を目指している

AT&T(T)はインターネット・通信事業に専念するベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)に対して自社通信網を活用して広範なコンテンツ提供者になることを目指しており新規事業の開拓に熱心です。ここ最近でM&Aを繰り返しており、2014年にはディレクTVを買収し、さらに2016年10月にはタイムワーナーを買収しています。

しかし、この分野にはネットフリックス(NFLX)や、ウォルト・ディズニー(DIS)、Amazon(AMAZN)など強力な競合相手がおり現在非常に苦戦しています。また、買収に伴う多額の負債も残されており今後を注目していきたいところです。

通信事業者としての競合相手であるベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は米ヤフーの買収などインターネットや5Gをはじめとした通信網の整備に多額の投資をしています。

5Gに関しては2018年にストレート・パス・コミュニケーションズの買収でいったん合意したものの更に好条件を提示したベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)に敗れるなど後れを取っているのが現状です。

アクティビスト(モノ言う株主)エリオットの戦略見直し要求

投資家ポール・シンガー氏が率いる投資ファンド運営会社「エリオット・マネジメント」は2019年9月に32億ドル相当の持ち分を開示しました。AT&T(T)に対して資産売却や徹底的なコスト削減を行い業績を上向かせることで株価を50%上げるという計画を記した書簡を取締役会に送付しました。

計画では、メキシコでの携帯電話事業やディレクTVに加え固定電話事業の一部などの資産売却を検討するように要求し一部事業からの撤退を通じた経営効率の改善、大規模買収の打ち止めを求めました。

その後の7-9月期決算で投資会社エリオットへの対応を示し、役員席を2席追加、会長とCEOの役割を分離する計画も明らかにしたほか、当面の大型買収は実施しない旨の発表を行いました。こうした、一連の流れによってAT&Tの株価は一時上昇しました。

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AT&T【Tの業績データ

売上高と営業利益等の推移

グラフA 売上高と利益

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高 122,513 124,280 126,723 127,434 128,752 132,447 146,801 163,786 160,546
営業利益 21,000 19,573 12,128 12,997 30,479 13,866 24,785 24,708 23,863
純利益 12,138 19,864 3,944 7,264 18,249 6,224 13,345 12,976 29,450
2018年 2019年 2020年
売上高 170,756 181,193 171,760
営業利益 26,142 29,413 25,285
純利益 19,370 13,903 -5,176

 売上高と営業利益の推移を示しています。

今の時代において、誰もが持つ携帯電話キャリアだけあって売上高は安定しています。人口の増加や利用者数の増加、サービスの追加などによって将来的に緩やかな伸びが望めそうです。

営業利益は上下をしながら少し伸びています。

 

 

営業利益率と純利益率の推移

グラフC 営業利益率と純利益率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業利益率 17.14% 15.75% 9.57% 10.20% 23.67% 10.47% 16.88% 15.09% 14.86%
純利益率 9.91% 15.98% 3.11% 5.70% 14.17% 4.70% 9.09% 7.92% 18.34%
2018年 2019年 2020年
営業利益率 15.31% 16.23% 14.72%
純利益率 11.34% 7.67% -3.01%

営業利益率はかなり安定して15%前後となっています。

営業利益率・純利益率・売上高成長率の推移

グラフD 成長率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高成長率 1.44% 1.97% 0.56% 1.03% 2.87% 10.84% 11.57% -1.98%
営業利益成長率 -6.80% -38.04% 7.17% 134.51% -54.51% 78.75% -0.31% -3.42%
純利益成長率 63.65% -80.14% 84.18% 151.23% -65.89% 114.41% -2.77% 126.96%
2017年 2018年 2019年 2020年
売上高成長率 6.36% 6.11% -5.21%
営業利益成長率 9.55% 12.51% -14.03%
純利益成長率 -34.23% -28.22% -137.23%

 

1株の価値(BPS・EPS・SPS・CFPS)の推移

グラフE 1株の価値

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
BPS 18.89 19.17 16.55 16.4 17.86 19.83 20.14 20.35
EPS 2.05 3.35 0.66 1.25 3.42 1.24 2.37 2.1 4.76
2018年 2019年 2020年
BPS 25.25 25.23 24.64
EPS 2.85 1.89 -0.75

 

グラフE2 1株当たりの売上高

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりの売上高(SPS) 20.93 21.30 21.89 23.91 25.37 26.00 26.46 25.97
2018年 2019年 2020年
1株当たりの売上高(SPS) 25.09 24.66 23.91

グラフE3 EPSと1株当たりフリーCFの比較

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりフリーCF(CFPS) 2.60 2.44 3.39 2.57 1.94 2.95 2.88 2.99
2018年 2019年 2020年
1株当たりフリーCF(CFPS) 3.36 3.98 3.82

順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)CFPS(1株あたりフリーキャッシュフロー)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

CFPSは会計上の利益では無くフリーキャッシュフローの面から数字を出します。基本的にEPSと一致しますが、会計処理の方法が変わったり「純利益は減少したがフリーCFは増加した」場合などにより正確な情報を読み取る事ができます。

一株当たりの価値も完全に横ばいと言っていいでしょう。

キャッシュフローの推移

グラフH キャッシュフロー

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業CF 39,176 34,796 31,338 35,880 39,344 39,151
投資CF -19,680 -23,124 -18,337 -49,144 -24,215 -20,371
財務CF -13,201 -13,201 -7,737 9,782 -14,462 25,930
フリーCF 19,711 13,852 10,139 16,662 17,828 18,504
2018年 2019年 2020年
営業CF 43,602 48,668 43,130
投資CF -63,145 -16,690 -13,548
財務CF -25,989 -25,083 -32,007
フリーCF 22,844 29,233 27,455

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

ここでは主に営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローを紹介します。投資や財務コストに関しては設備投資やインスタント・カバレッジ・レシオを参照ください。

キャッシュフローは良好な数字であり、必要かつ適度な投資資金を捻出した上でフリーキャッシュフローを創出することができています。高配当連続増配の源泉であることは間違い無いでしょう。

グラフS キャッシュフロー比率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業キャッシュフロー成長率 1.59 -0.99 13.07 -11.18 -9.94 14.49 9.65 -0.49
フリー・キャッシュ・フロー成長率 -13.37 -5.98 35.58 -29.72 -26.8 64.34 7 3.79
売上高に対する投資の規模 15.71 15.87 15.27 16.27 16.01 13.09 13.14 12.86
2018年 2019年 2020年
営業キャッシュフロー成長率 11.37 11.62 -11.38
フリー・キャッシュ・フロー成長率 23.45 27.97 -6.08
売上高に対する投資の規模 12.16 10.73 9.13

業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローの成長率と売上高に対する投資の規模を示しています。

投資がどれだけ売上高に結びついているかを知ることができます。

15%を超えていれば良好と言われる中で25%前後で安定しています。これはキャッシュフローの面で見て中々に魅力的な数値です。

AT&T【T】の株主還元の推移

配当金・配当性向・増配率の推移

グラフF 配当と配当性向・増配率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
配当 1.65 1.69 1.73 1.77 1.81 1.85 1.89 1.93 1.97
配当性向(%) 80.49% 50.45% 262.12% 141.60% 52.92% 149.19% 79.75% 91.90% 41.39%
増配率 2% 2% 2% 2% 2% 2% 2% 2%
2018年 2019年 2020年
配当 2.01 2.05 2.08
配当性向(%) 70.53% 108.47% -277.33%
増配率 2% 2% 1%

 配当金と配当性向の推移を記載しています。毎年、微量ながら増配を続けており35年の増配を達成しました。

しかし、配当性向が高めで90~100前後に行っている点は長期債務の増加と合わせて不安要因です。

発行済み株式数の推移

グラフL 発行済み株式数

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
発行済み株式数(百万) 5,938 5,950 5,821 5,385 5,221 5,646 6,189 6,183
2018年 2019年 2020年
発行済み株式数(百万) 6,806 7,348 7,183

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

ワーナー買収の年である2018年に大きく発行済み株式数は増加しています。その前も自社株買いを積極的に行っている形跡は見られず、配当に期待した方が良いでしょう。

 

AT&T【T】の財務諸表と財務データ

貸借対照表

グラフO・P 貸借対照表

2010~2017

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
現金・短期投資 0.54 1.18 1.79 1.2 2.94 1.27 1.43 11.37
売掛金・売掛債権 5.07 5.03 4.65 4.65 4.96 4.11 4.16 3.72
棚卸資産
その他の流動資産 1.83 2.31 1.9 2.5 3.04 3.56 3.91 2.73
有形固定資産 38.44 39.61 40.31 39.95 38.55 30.91 30.93 28.2
無形固定資産 49.95 48.16 47.21 47.33 46.67 55.95 54.99 49.48
その他の長期資産 4.18 3.72 4.15 4.37 3.84 4.21 4.58 4.5
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
買掛金 2.77 3.18 4.44 4.17 5.13 5.24 5.47 5.52
短期借入金 2.68 1.28 1.28 1.98 2.07 1.9 2.44 8.66
未払税金 0.03 0.37 0.38 0.64 0.37 0.54 0.52 0.28
未払負債 3.14 2.79 2.47 2.74 2.31 1.88 1.85 1.91
その他の短期負債 4.04 3.78 3.12 3.09 2.87 2.34 2.28 2
長期借入金 21.99 22.7 24.4 24.99 26.01 29.5 28.22 28.44
その他の長期負債 23.72 26.83 29.96 29.58 31.69 28.06 28.66 21.39

2018~

2018年 2019年 2020年
現金・短期投資 0.98 2.2 1.85
売掛金・売掛債権 4.98 4.1 3.84
棚卸資産
その他の流動資産 3.71 3.62 4.19
有形固定資産 24.72 27.95 28.92
無形固定資産 58.32 55.08 53.56
その他の長期資産 7.29 7.05 7.64
2018年 2019年 2020年
買掛金 5.18 5.55 6.26
短期借入金 1.96 2.19 0.65
未払税金 0.23 0.23 0.2
未払負債 2.82 2.77 1.6
その他の短期負債 2.16 2.17 3.77
長期借入金 31.84 27.99 29.9
その他の長期負債 20.55 24.61 25.81

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

こちらもほぼ横ばいで推移していますが、2018年に買収によって規模が大きくなりその分長期負債が増えている点は気になります。

グラフR 損益計算書(費用と利益)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上原価 42.05 45.28 43.33 39.97 45.76 45.67 46.94 48.2
売上総利益 57.95 54.72 56.67 60.03 54.24 54.33 53.06 51.8
販売費及び一般管理費 26.61 30.65 32.24 22.07 29.97 22.45 22.19 21.75
研究開発費
その他 15.59 14.5 14.24 14.29 13.8 15 15.78 15.19
営業利益 15.75 9.57 10.2 23.67 10.47 16.88 15.09 14.86
資産運用利益 -1.07 -4.27 -2.01 -2.1 -2.95 -2.79 -2.99 -5.43
2018年 2019年 2020年
売上原価 46.51 46.44 46.53
売上総利益 53.49 53.56 53.47
販売費及び一般管理費 21.53 21.76 22.15
研究開発費
その他 16.65 15.57 16.6
営業利益 15.31 16.23 14.72
資産運用利益 -0.74 -6.04 -16.38

業績の蘭で紹介済みの収益に対応した損益計算書の費用項目と残った利益を表記しています。

財務状態と健全性

グラフG 財務データ

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
有利子負債比率(%) 24.67 23.98 25.68 26.97 28.08 31.4 30.66 37.1
自己資本比率(%) 41.63 39.07 33.96 32.81 29.55 30.54 30.57 31.8
2018年 2019年 2020年
有利子負債比率(%) 33.8 30.18 30.55
自己資本比率(%) 35.26 34.5 31.81

ここでは、有利子負債比率・自己資本比率を紹介します。この自己資本比率と有利子負債比率は企業の健全性を大きく表しているので注目しましょう。

グラフQ 財務比率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
流動比率 0.59 0.75 0.71 0.66 0.86 0.75 0.76 0.97
当座比率 0.44 0.55 0.55 0.46 0.62 0.45 0.45 0.82
財務レバレッジ 2.4 2.56 2.95 3.05 3.39 3.28 3.28 3.15
負債比率 0.53 0.58 0.72 0.76 0.88 0.97 0.92 0.89
2018年 2019年 2020年
流動比率 0.8 0.79 0.82
当座比率 0.49 0.5 0.47
財務レバレッジ 2.89 2.99 3.25
負債比率 0.9 0.94 1.09

流動比率、当座比率、財務レバレッジ、負債比率を示しています。

流動比率は流動負債に対する流動資産の割合で計算され、短期的な支払い能力を示しています。当座比率は、流動資産の中で「現金預金」「受取手形」「売掛金」などの現金化しやすい資産だけで計算される、流動比率よりも厳しい基準で見た短期的支払い能力の指標です。

財務レバレッジ銀行借入や社債発行などを活用して自己資本を梃子(レバレッジ)にどれだけ負債を活用しているかを示しています。後述される自己資本比率の逆数関係にあり、負債をどのくらい有効活用しているかを表すため、この倍率が高くなると、負債増加によるリスクが顕在化するため注意する必要があります。

 

設備投資額と研究開発費・減価償却費の推移

グラフJ 事業投資

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
設備投資 21,213 21,201 20,605 21,796 22,062
減価償却費 18,339 18,347 21,878 25,712 24,381
研究開発費 1,730
2018年 2019年 2020年
設備投資 22,916 21,416 18,116
減価償却費 28,249 27,860 28,506
研究開発費

設備投資や研究開発費・減価償却費の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資や研究開発費が何を目的にしているかは見極める必要があります。

これらにより企業がどのように投資を行っているかを知る事ができます。

基地局の建設と維持の他に、通信回線の建設と整備、また最近は5G関連の開発と整備費用があり設備投資額は増加しています。

ROE・ROA・営業キャッシュフローマージンの推移

グラフI 経営の効率性

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
ROE(自己資本利益率) 18.6 3.63 7.34 19.91 7.02 12.77 10.56 22.31
ROA(総資産利益率) 7.39 1.46 2.68 6.63 2.18 3.84 3.22 6.95
営業CFM 28.16% 27.34% 30.74% 27.03% 23.66% 24.44% 24.02% 24.39%
2018年 2019年 2020年
ROE(自己資本利益率) 11.92 7.55 -3.1
ROA(総資産利益率) 3.97 2.57 -1
営業CFM 25.53% 26.86% 25.11%

こちらは経営の効率性を示すROEとROA、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

ROAは総資産利益率を表しており、会社が有する資産を活用してどれほどの利益を上げる事ができているかを表しています。

営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。

グラフI-2 経営の効率性2

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
投資資本利益率(ROIC) 12.4 3.53 5.87 12.73 5.14 7.7 6.57 12.04
インタレスト・カバレッジ・レシオ 7.09 2.9 4.03 8.05 3.76 6.02 5.04 3.4
資産回転率 0.46 0.47 0.47 0.47 0.46 0.42 0.41 0.38
2018年 2019年 2020年
投資資本利益率(ROIC) 7.74 5.68 0.12
インタレスト・カバレッジ・レシオ 4.13 3.19 0.64
資産回転率 0.35 0.33 0.32

こちらでは投下資本利益率(ROIC)、インスタント・カバレッジ・レシオ、資産回転率の推移を示すグラフを掲載しています。

投下資本利益率は自己資本や有利子負債も含めた事業活動のために行われた投資がどれだけの利益を生み出したかを数字にしています。

インスタント・カバレッジ・レシオは、会社が営業活動により生み出す利益(基本的に営業利益)と金融収益(受取利息と受取配当金が主に該当)が、毎年の支払利息をどの程度上回っているかを示しており、 企業の財務健全性を示す数値であり、この数値が高いほど金利の支払いなどに関して財務的に余裕があります。反対に比率が低いと営業収益のうち多くの割合が支払利息に当てられる形で負債元本が減らず、財務上厳しい状態にあります。

総資産回転率は企業の資産が効率的に売上に結びついていることを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。

財務効率と回転率等

ここでは財務効率などに関連した数値を解説していきます。

グラフU 財務効率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売掛金回収期間 41.98 39.2 37.61 36.25 37.82 38.61 37.13 37.87
在庫日数
回収期間 52.21 50.99 68.32 83.82 79.93 98.08 102.25 109.59
現金循環日数
2018年 2019年 2020年
売掛金回収期間 45.95 49.46 45.53
在庫日数
回収期間 118.25 122.89 140.38
現金循環日数

ここでは、売掛金回収期間と在庫日数、回収期間、現金循環日数を紹介していきます。

売掛金回収期間は売掛金がどれくらいの期間をかけて回収されているかを日数で表しており、その日数が短いほど現金化までにかかる期間が短く資金を効率的に活用できていることになります。

在庫日数は在庫として滞留している日数を表しています。在庫として保有している商品の総数が売上の何日分と言い換えることも出来、この日数が少ないほど在庫量は適正な数にコントロールできていると考える事ができます。

回収期間は投資金額が投資によって生まれるキャッシュフローで計算して何年で回収することが出来ているかを表します。設備投資に関する収益性計算には様々な方法が存在しますが回収期間を指標とした場合、この期間が短いほど安全に効率的な投資ができていると考える事ができます。

現金循環日数は「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」とも言われ、企業が商品を仕入れるために支出を行なってから売上及び売上債権の回収によって現金を得るまでの期間を指します。この日数が長いほど、手元の現金が減っている期間が長い事になり資金繰りの懸念が現れるため、経営状態を表す重要な指標とも言えます。

グラフV 財務効率 回転率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上債権回転率 8.69 9.31 9.7 10.07 9.65 9.45 9.83 9.64
棚卸資産回転率
固定資産回転率 1.22 1.21 1.18 1.17 1.18 1.24 1.31 1.28
 資産回転率 0.46 0.47 0.47 0.47 0.46 0.42 0.41 0.38
2018年 2019年 2020年
売上債権回転率 7.94 7.38 8.02
棚卸資産回転率
固定資産回転率 1.33 1.27 1.12
 資産回転率 0.35 0.33 0.32

ここでは、回転率を中心に解説します。売上債権回転率、棚卸資産回転率 固定資産回転率 資産回転率を紹介しています。

売上債権回転率は会社が有する売上債権の回収がどのくらいの期間で行われているかを示す指標で、この数字が低いほど債券の回収に時間がかかっており、資金の効率的な活用が妨げられている事になります。

棚卸資産回転率は在庫回転率と言われることもあり、仕入から売上に至るまでの在庫期間によって適切な在庫量などの判断をするための指標であり、在庫を減らしている会社はこの比率が高くなります。在庫回転率が低いと言う事は顧客に販売される事なく在庫として保持する数が多く、管理コストや廃棄リスクを負っていることになります。

固定資産回転率は保有する固定資産が効率的に活用されているかを示しています。この比率が低い場合は保有する固定資産が有効に活用されることなく滞留している疑いがあり、固定資産への投資が過剰である可能性があります。

総資産回転率は企業の資産がどれだけ効率的に売上に結びついているかを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。売上高が総資産の何倍あるかを見ることでその売上に貢献した企業の総資産がどれほど効率的に活用されているかを測ります。(「グラフI-2 経営の効率性2」で解説済みです)

まとめ

日本で言うdocomoのような巨大通信キャリアです。通信回線の販売整備なのならず、時代とともに新たなビジネスに参入し時代にあったチャンスをものにしようとする姿勢は素晴らしいと思います。

携帯回線で1位のシェアを持ち、それを背景にしたキャッシュフローで35年に渡り増配を続けているだけに配当金を目的にした投資対象としてはかなり有力です。

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