マイクロソフト【MSFT】の株価・銘柄分析と今後 成長を続けるソフトウェアの覇者

マイクロソフト【MSFT】の基本情報と歴史

マイクロソフトは世界最大のソフトウェア企業です。共同創業者のビル・ゲイツは世界の大富豪として長い期間名を連ねています。

1975年に創業され、1990年代には時の業界首位を占めたIBMを抜き去りました。

世界のパソコンの殆どに搭載されているWindowsやofficeなどのソフトウェア製品は世界首位、そしてデバイスの開発やその他サービス、クラウドサービス「Azuru」などと言ったライセンス収入が多く非常に安定しており、事業の多様化を進めた結果Windowsが占める比率も少なくなり多彩な事業によって収益を上げています。WordやExcelを筆頭にofficeソフトの多くはビジネスに欠かせないアプリケーションになっています。FAAMGと呼ばれる企業群に入り、世界で最も価値のある企業の一つです。

S&P500には勿論の事、NYダウ30種平均の構成銘柄でもあります。

 

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 19年
S&P格付け AAA
従業員数 144000人
創業年 1975年
上場年 1986年
決算 6月
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マイクロソフト【MSFT】の株価推移

PERとPBRの推移

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
PER 13.39 15.86 29.83 24.37 25.44
PBR 3.64 3.83 4.43 5.55 7.34
配当利回り 2.56 2.84 2.64 2.38 1.77
2017年 2018年 2019年 2020年
PER 46.6 26.47 35.33
PBR 9.15 10.01 13.02
配当利回り 1.6 1.21 0.93

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

マイクロソフト【MSFT】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。2016年から決算報告の方式が変更され、「Productivity and Business Processes」「Intelligent Cloud」「More Personal Computing」の3つの区分で事業内容が報告されることとなりました。

Productivity and Business Processesは、法人及び消費者顧客向けの「Office」「Office 365」に加えて業務管理アプリケーションである「Dynamics」と「Dynamics CRM Online」を表しています。

Intelligent Cloudは、「Windows Server」「Azure」「Enterprise Services」「SQL Server」「System Center」などのパブリック、プライベート、ハイブリッドの各種クラウド又はサーバ製品およびサービスを含みます。

More Personal Computingは、「Windows」OSのライセンス収入、「Surface」や携帯端末などのデバイス類、「Xbox」などのゲーミング製品、検索エンジン「bing」から生まれる収益を含みます。

このように、近年で急速に拡大したサービス事業も区分で分けてサービス事業の企業になった事を鮮明に打ち出しています。

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国・地域別売上高比率

その企業の売上高が地球上のどこで生み出されたものなのかを表しています。半数がアメリカ国内で残り半数がその他となっています。

クラウドサービス「Azuru」をはじめとした多様な収益源

マイクロソフト(MSFT)はWindowsとofficeで成功してからこれらが収益源の多くを占めていました。そして、結果的にこれはクラウドサービスの波に乗り遅れることとなりAmazonの(AWS)の後塵を拝するなどマイクロソフトに停滞をもたらしました。

しかし、スティーブ・バルマー氏に代わって就任した現サティア・ナデラCEOはクラウドサービス主体とする方向に舵を切りました。その後マイクロソフトの「Azuru」はAWSに次ぐシェアを有し、office365も含めたクラウドサービス全体のシェアでAmazonを追い抜きました。これらの事業の堅調さによりマイクロソフトは再び成長軌道に乗り時価総額1兆ドルの企業となりました。

安定性と高利益を実現したビジネスモデル

世界の殆どのパソコンにWindowsは搭載されており、その価格にはWindowsOSのライセンス料が載せられています。これは俗に「Microsoft税」と揶揄されるほどになっています。

そして、世界中の多くのオフィスで選択肢を検討することもなくofficeソフトである、Excel、Word、PowerPointが使われていると思います。

これらは非常に高利益率で尚且つ完全に世界中の人々の生活に染み付いた生活必需品と言っても差し支えないレベルに達しており、ここから生み出されるライセンス収入をほぼ永続的にマイクロソフトは得られるでしょう。

新たなゲーム機「Xbox」

クラウドサービス(Azure)は勿論ですが、新たにゲーム事業(Xbox)にも力を入れておりSONYのプレイステーションシリーズに対抗すべく新たな製品やサービスを常に開発し続けています。

インターネットの時代である事とWindowsのシェアを活かしパソコン市場との連携に重点を置いたゲーム開発を行っており、Xboxと言ったゲーム機に拘らずパソコンなど他の機体でも遊べるなど幅広い場所・環境でゲームができるような戦略をとっています。

在宅勤務の促進

2020年になってからの新型コロナウイルス(COVID−19)の長期化に伴い、マイクロソフトは希望者に関しては恒久的な在宅勤務を認めると言った発表をしました。

事業内容だけでなく、従業員の働き方に関しても新たな取り組みを加速させつつあります。

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クラウドサービス「Azure」の成長

2020年10月現在、AmazonのAWSに次ぐ2位のシェアを誇るAzureですがその成長は止まる事なく、常に新機能を追加し続けておりAWSへの対抗意識を隠していません。近年大きく追い上げを見せているAzureがAWSを追い抜く事ができるかが注目されるでしょう。

下記の関連記事にもあり現在Amazonが不服申し立てを行っている最中ではありますが、2019年には国防総省からの100億ドル規模になる契約も勝ち取りました。

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マイクロソフト【MSFT】の業績データ

売上高と営業利益等の推移

グラフA 売上高と利益

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高 58,437 62,484 69,943 73,723 77,849 86,833 93,580 85,320 89,950
営業利益 20,693 24,098 27,161 27,956 26,764 27,886 28,172 21,292 22,632
純利益 14,569 18,760 23,150 16,978 21,863 22,074 12,193 16,798 21,204
2017年 2018年 2019年 2020年
売上高 110,360 125,843 143,015
営業利益 35,058 42,959 52,959
純利益 16,571 39,240 44,281

売上高、営業利益ともに毎年大きな成長を続けています。Azureの成長が占める割合は大きいです。

売上高のうち、51%を米国内、その他で49%を稼いでおり比較的分散された売上構成となっています。

売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移も示しています。

営業利益と同じく純利益も大きな拡大傾向が続いています。

営業利益率と純利益率の推移

グラフC 営業利益率と純利益率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業利益率 35.41% 38.57% 38.83% 37.92% 34.38% 32.11% 30.10% 24.96% 25.16%
純利益率 24.93% 30.02% 33.10% 23.03% 28.08% 25.42% 13.03% 19.69% 23.57%
2017年 2018年 2019年 2020年
営業利益率 31.77% 34.14% 37.03%
純利益率 15.02% 31.18% 30.96%

元々20%を超えていた営業利益率は利益率の高いクラウド事業の拡大に伴いさらに拡大しつつあります。

営業利益率・純利益率・売上高成長率の推移

グラフD 成長率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高成長率 6.93% 11.94% 5.40% 5.60% 11.54% 7.77% -8.83% 5.43%
営業利益成長率 16.45% 12.71% 2.93% -4.26% 4.19% 1.03% -24.42% 6.29%
純利益成長率 28.77% 23.40% -26.66% 28.77% 0.97% -44.76% 37.77% 26.23%
2017年 2018年 2019年 2020年
売上高成長率 22.69% 14.03% 13.65%
営業利益成長率 54.90% 22.54% 23.28%
純利益成長率 -21.85% 136.80% 12.85%

 

 

 

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1株の価値(BPS・EPS・SPS・CFPS)の推移

グラフE 1株の価値

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
BPS 6.82 8.19 9.21 10.61 11.23 9.58 9.05
EPS 1.62 2.1 2.69 2 2.58 2.63 1.48 2.56 3.25
2017年 2018年 2019年 2020年
BPS 10.32 12.41 15.12
EPS 2.13 5.06 5.76

 

グラフE2 1株当たりの売上高

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりの売上高(SPS) 8.14 8.67 9.19 10.34 11.34 10.65 11.48
2017年 2018年 2019年 2020年
1株当たりの売上高(SPS) 14.16 16.23 18.61

グラフE3 EPSと1株当たりフリーCFの比較

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりフリーCF(CFPS) 2.87 3.45 2.90 3.18 2.80 3.12 4.01
2017年 2018年 2019年 2020年
1株当たりフリーCF(CFPS) 4.14 4.93 5.89

順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)CFPS(1株あたりフリーキャッシュフロー)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

CFPSは会計上の利益では無くフリーキャッシュフローの面から数字を出します。基本的にEPSと一致しますが、会計処理の方法が変わったり「純利益は減少したがフリーCFは増加した」場合などにより正確な情報を読み取る事ができます。

売上高・営業利益のグラフと同じように一株あたりに直しても大きく伸び続けていま す。自社株買いに積極的な企業であり、その事がこれらの数値をより一層加速させています。

キャッシュフローの推移

グラフH キャッシュフロー

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業CF 31,626 28,833 32,231 29,080 33,325 39,507
投資CF -24,786 -23,811 -18,333 -23,001 -23,950 -46,781
財務CF -8,148 -8,184 -8,394 -9,080 -8,393 8,408
フリーCF 29,321 24,576 26,746 23,136 24,982 31,378
2017年 2018年 2019年 2020年
営業CF 43,884 52,185 60,675
投資CF -6,061 -15,773 -12,223
財務CF -33,590 -36,887 -46,031
フリーCF 32,252 38,260 45,234

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

ここでは主に営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローを紹介します。投資や財務コストに関しては設備投資やインスタント・カバレッジ・レシオを参照ください。

投資キャッシュフローは同水準で推移しています。クラウドへの投資と従来の事業へかける投資をうまくシフトできている感じです。そして、フリーキャッシュフローは成長しながら安定して創出され、今後とも増配・自社株買いを行い株主に積極的に還元していくものと思われます。

グラフS キャッシュフロー比率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業キャッシュフロー成長率 12.13 17.16 -8.83 11.79 -9.78 14.6 18.55
フリー・キャッシュ・フロー成長率 11.51 19 -16.18 8.83 -13.5 7.98 25.6
売上高に対する投資の規模 3.37 3.13 5.47 6.32 6.35 9.78 9.04
2017年 2018年 2019年 2020年
営業キャッシュフロー成長率 11.08 18.92 16.27
フリー・キャッシュ・フロー成長率 2.79 18.63 18.23
売上高に対する投資の規模 10.54 11.07 10.8

営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローの成長率と売上高に対する投資の規模を示しています。

投資がどれだけ売上高に結びついているかを知ることができます。

マイクロソフト【MSFT】の株主還元の推移

配当金・配当性向・増配率の推移

グラフF 配当と配当性向・増配率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
配当 0.52 0.52 0.61 0.76 0.89 1.07 1.21 1.39 1.53
配当性向(%) 32.10% 24.76% 22.68% 38.00% 34.50% 40.68% 81.76% 54.30% 47.08%
増配率 17% 25% 17% 20% 13% 15% 10%
2017年 2018年 2019年 2020年
配当 1.65 1.8 1.99
配当性向(%) 77.46% 35.57% 34.55%
増配率 8% 9% 11%

前述の巨大なキャッシュフローから生み出される配当金は10年で約3倍となっており増配率も高いです。長期保有により大きな配当利回りとなる可能性を秘めているでしょう。

配当性向も業績の拡大に伴い下がっており、配当は安全そのものと思われます。

発行済み株式数の推移

グラフL 発行済み株式数

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
発行済み株式数(百万) 8,593 8,506 8,470 8,399 8,254 8,013 7,832
2017年 2018年 2019年 2020年
発行済み株式数(百万) 7,794 7,753 7,683

自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

巨額のフリーキャッシュフローは配当のみならず自社株買いとしても株主に大きな還元を行っています。

 

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マイクロソフト【MSFT】の財務諸表と財務データ

貸借対照表

グラフO・P 貸借対照表

2010~2017

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
現金・短期投資 48.55 51.98 54.08 49.72 54.77 58.46 55.16
売掛金・売掛債権 13.79 13.01 12.28 11.34 10.16 9.44 8.21
棚卸資産 1.26 0.94 1.36 1.54 1.65 1.16 0.9
その他の流動資産 5.32 4.23 3.52 3.67 4.19 3.04 2.03
有形固定資産 7.51 6.82 7.01 7.55 8.36 9.48 9.84
無形固定資産 12.26 13.71 12.45 15.73 12.36 11.15 18.76
その他の長期資産 11.31 9.31 9.29 10.45 8.52 7.27 5.09


2018~

2017年 2018年 2019年 2020年
現金・短期投資 51.68 46.7 45.31
売掛金・売掛債権 10.23 10.3 10.62
棚卸資産 1.03 0.72 0.63
その他の流動資産 2.61 3.54 3.81
有形固定資産 13.96 15.3 17.56
無形固定資産 16.9 17.37 16.72
その他の長期資産 3.59 6.06 5.34

 

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
買掛金 3.86 3.44 3.39 4.31 3.74 3.56 3.07
短期借入金 1.02 2.11 1.16 4.25 6.66 4.2
未払税金 0.53 0.65 0.42 0.45 0.34 0.3 0.3
未払負債
その他の短期負債 22.08 21.85 20.36 20.54 19.96 20.12 19.2
長期借入金 10.97 8.83 8.85 11.98 15.78 21.06 31.55
その他の長期負債 10.05 9.49 9.46 9.47 10.48 11.13 11.65
2017年 2018年 2019年 2020年
買掛金 3.33 3.27 4.16
短期借入金 1.54 1.92 1.24
未払税金 0.82 1.98 0.71
未払負債
その他の短期負債 16.9 17.05 17.89
長期借入金 27.91 23.26 19.77
その他の長期負債 17.54 16.8 16.97

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

流動資産の比率が高く財務状況は極めて良好です。マイクロソフトは世界に2社しかない格付けで最高のAAAを有する企業の1つです。(残る1社はジョンソン・エンド・ジョンソン)

グラフR 損益計算書(費用と利益)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上原価 22.27 23.78 26.01 31.02 35.3 38.42 38.09
売上総利益 77.73 76.22 73.99 68.98 64.7 61.58 61.91
販売費及び一般管理費 25.97 24.99 26.24 23.76 21.72 22.57 22.26
研究開発費 12.93 13.31 13.37 13.11 12.87 14.05 14.49
その他
営業利益 38.83 37.92 34.38 32.11 30.1 24.96 25.16
資産運用利益 1.3 -7.72 0.37 -0.08 -10.33 -1.81 0.57

 

2017年 2018年 2019年 2020年
売上原価 34.75 34.1 32.22
売上総利益 65.25 65.9 67.78
販売費及び一般管理費 20.14 18.35 17.28
研究開発費 13.34 13.41 13.47
その他
営業利益 31.77 34.14 37.03
資産運用利益 1.28 0.58 0.05

業績の蘭で紹介済みの収益に対応した損益計算書の費用項目と残った利益を表記しています。

財務状態と健全性

グラフG 財務データ

 

ここでは、有利子負債比率・自己資本比率を紹介します。この自己資本比率と有利子負債比率は企業の健全性を大きく表しているので注目しましょう。

グラフQ 財務比率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
流動比率 2.6 2.6 2.71 2.5 2.5 2.35 2.48
当座比率 2.35 2.41 2.53 2.31 2.3 2.22 2.37
財務レバレッジ 1.9 1.83 1.8 1.92 2.2 2.69 3.33
負債比率 0.21 0.16 0.16 0.23 0.35 0.57 1.05
2017年 2018年 2019年 2020年
流動比率 2.9 2.53 2.52
当座比率 2.74 2.35 2.33
財務レバレッジ 3.13 2.8 2.55
負債比率 0.94 0.71 0.57

流動比率、当座比率、財務レバレッジ、負債比率を示しています。

流動比率は流動負債に対する流動資産の割合で計算され、短期的な支払い能力を示しています。当座比率は、流動資産の中で「現金預金」「受取手形」「売掛金」などの現金化しやすい資産だけで計算される、流動比率よりも厳しい基準で見た短期的支払い能力の指標です。

財務レバレッジ銀行借入や社債発行などを活用して自己資本を梃子(レバレッジ)にどれだけ負債を活用しているかを示しています。後述される自己資本比率の逆数関係にあり、負債をどのくらい有効活用しているかを表すため、この倍率が高くなると、負債増加によるリスクが顕在化するため注意する必要があります。

 

設備投資額と研究開発費・減価償却費の推移

グラフJ 事業投資

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
設備投資 3,419 5,631 5,480 7,779 8,981
減価償却費 3,748 4,662 6,141 6,323 8,626
研究開発費 10,411 11,381 12,046 11,988 13,037
2017年 2018年 2019年 2020年
設備投資 10,884 14,092 15,633
減価償却費 10,334 11,718 12,492
研究開発費 14,726 16,876 19,269

設備投資や研究開発費・減価償却費の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資や研究開発費が何を目的にしているかは見極める必要があります。

これらにより企業がどのように投資を行っているかを知る事ができます。

AI技術などに対する研究開発と共にクラウド事業などに対する設備投資にも余念がなく、これらの支出がしっかりと利益の拡大に貢献しているのは業績からも明らかでしょう。

ROE・ROA・営業キャッシュフローマージンの推移

グラフI 経営の効率性

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
ROE(自己資本利益率) 44.84 27.51 30.09 26.17 14.36 22.09 29.37
ROA(総資産利益率) 23.77 14.77 16.58 14.02 7 9.08 9.75
営業CFM 38.59% 42.90% 37.04% 37.12% 31.08% 39.06% 43.92%
2017年 2018年 2019年 2020年
ROE(自己資本利益率) 21.37 42.41 40.14
ROA(総資産利益率) 6.63 14.39 15.07
営業CFM 39.76% 41.47% 42.43%

こちらは経営の効率性を示すROEとROA、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

ROAは総資産利益率を表しており、会社が有する資産を活用してどれほどの利益を上げる事ができているかを表しています。

営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。

グラフI-2 経営の効率性2

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
投資資本利益率(ROIC) 37.71 23.25 25.7 21.79 11.16 14.81 16.36
インタレスト・カバレッジ・レシオ 96.16 59.6 64.06 47.6 24.7 16.89 11.42
資産回転率 0.71 0.64 0.59 0.55 0.54 0.46 0.41
2017年 2018年 2019年 2020年
投資資本利益率(ROIC) 11.49 24.13 25.11
インタレスト・カバレッジ・レシオ 14.35 17.27 21.47
資産回転率 0.44 0.46 0.49

こちらでは投下資本利益率(ROIC)、インスタント・カバレッジ・レシオ、資産回転率の推移を示すグラフを掲載しています。

投下資本利益率は自己資本や有利子負債も含めた事業活動のために行われた投資がどれだけの利益を生み出したかを数字にしています。

インスタント・カバレッジ・レシオは、会社が営業活動により生み出す利益(基本的に営業利益)と金融収益(受取利息と受取配当金が主に該当)が、毎年の支払利息をどの程度上回っているかを示しており、 企業の財務健全性を示す数値であり、この数値が高いほど金利の支払いなどに関して財務的に余裕があります。反対に比率が低いと営業収益のうち多くの割合が支払利息に当てられる形で負債元本が減らず、財務上厳しい状態にあります。

総資産回転率は企業の資産が効率的に売上に結びついていることを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。

財務効率と回転率等

ここでは財務効率などに関連した数値を解説していきます。

グラフU 財務効率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売掛金回収期間 73.06 76.16 77.98 77.83 73.04 77.4 77.24
在庫日数 24.74 26.12 27.71 31.16 30.72 28.69 23.61
回収期間 96.33 87.16 81.14 83.07 77.46 75.1 76.11
現金循環日数 1.48 15.13 24.56 25.91 26.3 30.99 24.74
2017年 2018年 2019年 2020年
売掛金回収期間 76.52 81.22 78.52
在庫日数 23.05 20.1 15.68
回収期間 76.17 76.55 86.79
現金循環日数 23.4 24.76 7.41

ここでは、売掛金回収期間と在庫日数、回収期間、現金循環日数を紹介していきます。

売掛金回収期間は売掛金がどれくらいの期間をかけて回収されているかを日数で表しており、その日数が短いほど現金化までにかかる期間が短く資金を効率的に活用できていることになります。

在庫日数は在庫として滞留している日数を表しています。在庫として保有している商品の総数が売上の何日分と言い換えることも出来、この日数が少ないほど在庫量は適正な数にコントロールできていると考える事ができます。

回収期間は投資金額が投資によって生まれるキャッシュフローで計算して何年で回収することが出来ているかを表します。設備投資に関する収益性計算には様々な方法が存在しますが回収期間を指標とした場合、この期間が短いほど安全に効率的な投資ができていると考える事ができます。

現金循環日数は「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」とも言われ、企業が商品を仕入れるために支出を行なってから売上及び売上債権の回収によって現金を得るまでの期間を指します。この日数が長いほど、手元の現金が減っている期間が長い事になり資金繰りの懸念が現れるため、経営状態を表す重要な指標とも言えます。

グラフV 財務効率 回転率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上債権回転率 5 4.79 4.68 4.69 5 4.72 4.73
棚卸資産回転率 14.75 13.97 13.17 11.72 11.88 12.72 15.46
固定資産回転率 8.86 8.97 8.53 7.55 6.75 5.16 4.27
 資産回転率 0.71 0.64 0.59 0.55 0.54 0.46 0.41
2017年 2018年 2019年 2020年
売上債権回転率 4.77 4.49 4.65
棚卸資産回転率 15.84 18.16 23.28
固定資産回転率 3.68 3.14 2.96
 資産回転率 0.44 0.46 0.49

ここでは、回転率を中心に解説します。売上債権回転率、棚卸資産回転率 固定資産回転率 資産回転率を紹介しています。

売上債権回転率は会社が有する売上債権の回収がどのくらいの期間で行われているかを示す指標で、この数字が低いほど債券の回収に時間がかかっており、資金の効率的な活用が妨げられている事になります。

棚卸資産回転率は在庫回転率と言われることもあり、仕入から売上に至るまでの在庫期間によって適切な在庫量などの判断をするための指標であり、在庫を減らしている会社はこの比率が高くなります。在庫回転率が低いと言う事は顧客に販売される事なく在庫として保持する数が多く、管理コストや廃棄リスクを負っていることになります。

固定資産回転率は保有する固定資産が効率的に活用されているかを示しています。この比率が低い場合は保有する固定資産が有効に活用されることなく滞留している疑いがあり、固定資産への投資が過剰である可能性があります。

総資産回転率は企業の資産がどれだけ効率的に売上に結びついているかを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。売上高が総資産の何倍あるかを見ることでその売上に貢献した企業の総資産がどれほど効率的に活用されているかを測ります。(「グラフI-2 経営の効率性2」で解説済みです)

まとめ

マイクロソフト【MSFT】は現在も世界の人々の生活に結びついた企業であり、モバイルやクラウドに関して遅れをとったことから停滞しましたが、再び成長軌道に乗り、office365やAzuruは現在も成長を続けています。現在はクラウドで世界2位にまで上り詰め現在も成長中であることを考えると、これからの時代もクラウド、Office、Windowsなどを通じて更に成長を続ける事ができる企業であると思います。

その上に自社株買いと増配で株主還元も手厚いといったとてもいい企業です。新型コロナウイルスの中でもリモートワークに関する需要を上手く取り込み収益を拡大しつつあります。

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