マイクロソフト【MSFT】の株価・銘柄分析と今後 成長を続けるソフトウェアの覇者

マイクロソフト【MSFT】の基本情報と歴史

マイクロソフトは世界最大のソフトウェア企業です。共同創業者のビル・ゲイツは世界の大富豪として長い期間名を連ねています。

1975年に創業され、1990年代には時の業界首位を占めたIBMを抜き去りました。

世界のパソコンの殆どに搭載されているWindowsやofficeなどのソフトウェア製品は世界首位、そしてデバイスの開発やその他サービス、クラウドサービス「Azuru」などと言ったライセンス収入が多く非常に安定しており、事業の多様化を進めた結果Windowsが占める比率も少なくなり多彩な事業によって収益を上げています。WordやExcelを筆頭にofficeソフトの多くはビジネスに欠かせないアプリケーションになっています。FAAMGと呼ばれる企業群に入り、世界で最も価値のある企業の一つです。

S&P500には勿論の事、NYダウ30種平均の構成銘柄でもあります。

 

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 19年
S&P格付け AAA
従業員数 144000人
創業年 1975年
上場年 1986年
決算 6月

マイクロソフト【MSFT】の株価推移

PERとPBRの推移

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

マイクロソフト【MSFT】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。2016年から決算報告の方式が変更され、「Productivity and Business Processes」「Intelligent Cloud」「More Personal Computing」の3つの区分で事業内容が報告されることとなりました。

Productivity and Business Processesは、法人及び消費者顧客向けの「Office」「Office 365」に加えて業務管理アプリケーションである「Dynamics」と「Dynamics CRM Online」を表しています。

Intelligent Cloudは、「Windows Server」「Azure」「Enterprise Services」「SQL Server」「System Center」などのパブリック、プライベート、ハイブリッドの各種クラウド又はサーバ製品およびサービスを含みます。

More Personal Computingは、「Windows」OSのライセンス収入、「Surface」や携帯端末などのデバイス類、「Xbox」などのゲーミング製品、検索エンジン「bing」から生まれる収益を含みます。

このように、近年で急速に拡大したサービス事業も区分で分けてサービス事業の企業になった事を鮮明に打ち出しています。

国・地域別売上高比率

その企業の売上高が地球上のどこで生み出されたものなのかを表しています。半数がアメリカ国内で残り半数がその他となっています。

クラウドサービス「Azuru」をはじめとした多様な収益源

マイクロソフト(MSFT)はWindowsとofficeで成功してからこれらが収益源の多くを占めていました。そして、結果的にこれはクラウドサービスの波に乗り遅れることとなりAmazonの(AWS)の後塵を拝するなどマイクロソフトに停滞をもたらしました。

しかし、スティーブ・バルマー氏に代わって就任した現サティア・ナデラCEOはクラウドサービス主体とする方向に舵を切りました。その後マイクロソフトの「Azuru」はAWSに次ぐシェアを有し、office365も含めたクラウドサービス全体のシェアでAmazonを追い抜きました。これらの事業の堅調さによりマイクロソフトは再び成長軌道に乗り時価総額1兆ドルの企業となりました。

安定性と高利益を実現したビジネスモデル

世界の殆どのパソコンにWindowsは搭載されており、その価格にはWindowsOSのライセンス料が載せられています。これは俗に「Microsoft税」と揶揄されるほどになっています。

そして、世界中の多くのオフィスで選択肢を検討することもなくofficeソフトである、Excel、Word、PowerPointが使われていると思います。

これらは非常に高利益率で尚且つ完全に世界中の人々の生活に染み付いた生活必需品と言っても差し支えないレベルに達しており、ここから生み出されるライセンス収入をほぼ永続的にマイクロソフトは得られるでしょう。

新たなゲーム機「Xbox」

クラウドサービス(Azure)は勿論ですが、新たにゲーム事業(Xbox)にも力を入れておりSONYのプレイステーションシリーズに対抗すべく新たな製品やサービスを常に開発し続けています。

インターネットの時代である事とWindowsのシェアを活かしパソコン市場との連携に重点を置いたゲーム開発を行っており、Xboxと言ったゲーム機に拘らずパソコンなど他の機体でも遊べるなど幅広い場所・環境でゲームができるような戦略をとっています。

在宅勤務の促進

2020年になってからの新型コロナウイルス(COVID−19)の長期化に伴い、マイクロソフトは希望者に関しては恒久的な在宅勤務を認めると言った発表をしました。

事業内容だけでなく、従業員の働き方に関しても新たな取り組みを加速させつつあります。

クラウドサービス「Azure」の成長

2020年10月現在、AmazonのAWSに次ぐ2位のシェアを誇るAzureですがその成長は止まる事なく、常に新機能を追加し続けておりAWSへの対抗意識を隠していません。近年大きく追い上げを見せているAzureがAWSを追い抜く事ができるかが注目されるでしょう。

下記の関連記事にもあり現在Amazonが不服申し立てを行っている最中ではありますが、2019年には国防総省からの100億ドル規模になる契約も勝ち取りました。

マイクロソフト【MSFT】の財務分析

直近5年をグラフにしてそれより前のデータがあるとより理解が深まると思われるものはグラフの外で更に5年ほど前まで載せています。

売上高と営業利益等の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
売上高 58,437 62,484 69,943 73,723 77,849 86,833
営業利益 20,693 24,098 27,161 27,956 27,497 27,886

売上高、営業利益ともに毎年大きな成長を続けています。Azureの成長が占める割合は大きいです。

売上高のうち、51%を米国内、その他で49%を稼いでおり比較的分散された売上構成となっています。

 

営業利益と純利益の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益 20,693 24,098 27,161 27,956 27,497 27,886
純利益 14,569 18,760 23,150 16,978 21,863 22,074

売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。

営業利益と同じく純利益も大きな拡大傾向が続いています。

営業利益率と純利益率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益率 35.41% 38.57% 38.83% 37.92% 35.32% 32.11%
純利益率 24.93% 30.02% 33.10% 23.03% 28.08% 25.42%

元々20%を超えていた営業利益率は利益率の高いクラウド事業の拡大に伴いさらに拡大しつつあります。

BPS・EPS・SPSの推移

2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
EPS 1.48 2.56 3.25 2.13 5.06

 

過去のデータ

2009 2010 2011 2012 2013 2014
EPS 1.62 2.1 2.69 2 2.58 2.63

順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

売上高・営業利益のグラフと同じように一株あたりに直しても大きく伸び続けていま す。自社株買いに積極的な企業であり、その事がこれらの数値をより一層加速させています。

貸借対照表

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

流動資産の比率が高く財務状況は極めて良好です。マイクロソフトは世界に2社しかない格付けで最高のAAAを有する企業の1つです。(残る1社はジョンソン・エンド・ジョンソン)

キャッシュフローの推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業CF 19,037 24,073 26,994 31,626 28,833 32,231
フリーCF 15,918 22,096 24,639 37,800 31,208 23,735

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

グラフ外の数字を合わせると営業キャッシュフローの拡大と共にフリーキャッシュフローも大きく拡大を続けており、後述する株主還元の源泉となっています。

投資キャッシュフローは同水準で推移しています。クラウドへの投資と従来の事業へかける投資をうまくシフトできている感じです。そして、フリーキャッシュフローは成長しながら安定して創出され、今後とも増配・自社株買いを行い株主に積極的に還元していくものと思われます。

ROE・自己資本比率・営業キャッシュフローマージンの推移

こちらは経営の効率性を示すROE、健全性を示すROE、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

自己資本比率はその名の通り総資産に占める自己資本の割合で計算されます。

営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。

いずれも非常に高く安全性も経営の効率性も非常に高くなっています。営業キャッシュフローマージンも36%台と非常に高いです。

設備投資額と研究開発費の推移

設備投資や研究開発費の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資や研究開発費が何を目的にしているかは見極める必要があります。

AI技術などに対する研究開発と共にクラウド事業などに対する設備投資にも余念がなく、これらの支出がしっかりと利益の拡大に貢献しているのは業績からも明らかでしょう。

マイクロソフト【MSFT】の株主還元

配当と配当性向・増配率の推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
増配率 34.78% 16.13% 8.33% 7.69% 9.52%

過去のデータ

2009 2010 2011 2012 2013 2014
配当 0.5 0.52 0.64 0.8 0.92 1.12
配当性向(%) 30.86% 24.76% 23.79% 40.00% 35.66% 42.59%
増配率 4.00% 23.08% 25.00% 15.00% 21.74%

 配当金と配当性向・増配率の推移を記載しています。

前述の巨大なキャッシュフローから生み出される配当金は10年で約3倍となっており増配率も高いです。長期保有により大きな配当利回りとなる可能性を秘めているでしょう。

配当性向も業績の拡大に伴い下がっており、配当は安全そのものと思われます。

発行済み株式数の推移

自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

巨額のフリーキャッシュフローは配当のみならず自社株買いとしても株主に大きな還元を行っています。

まとめ

マイクロソフト【MSFT】は現在も世界の人々の生活に結びついた企業であり、モバイルやクラウドに関して遅れをとったことから停滞しましたが、再び成長軌道に乗り、office365やAzuruは現在も成長を続けています。現在はクラウドで世界2位にまで上り詰め現在も成長中であることを考えると、これからの時代もクラウド、Office、Windowsなどを通じて更に成長を続ける事ができる企業であると思います。

その上に自社株買いと増配で株主還元も手厚いといったとてもいい企業です。新型コロナウイルスの中でもリモートワークに関する需要を上手く取り込み収益を拡大しつつあります。

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