アルトリア・グループ【MO】の株価・銘柄分析と今後 歴史的高リターンの連続増配株

アルトリア・グループ【MO】の基本情報と歴史

アルトリア・グループは、2003年までの旧名フィリップ・モリス・カンパニーズでも知られる本部を置く世界最大のタバコ製品の製造・販売メーカーです。

2008年2月19日まで、ダウ平均株価算出採用企業でもありました。

2003年1月27日にフィリップ・モリス・カンパニーズからアルトリア・グループへ社名変更。2007年3月30日クラフトフーヅをスピンオフ、そして2008年3月28日にアルトリア・グループのタバコ事業国際部門としてフィリップ・モリス・インターナショナルをスピンオフしました。

アルトリアグループは元々フィリップモリスの米国内事業を行っていましたが、米国内でのたばこ事業が抱える訴訟リスクを切り離すためにフィリップモリス(PM)からアルトリアグループ(MO)が分社化しました。そのため、アルトリアグループは海外事業を持っておらず、全てが米国内での事業になります。紙巻きたばこ・無煙たばこが中心ですが、ワインの販売も行っています。

他にも種類メーカーである、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev)の株式を約10%保有し、近年成長を遂げる電子タバコ会社であるJUUL、合法隊まのCronos Groupに出資を行うなど

配当再投資により高いリターンを得ることができたシーゲル銘柄の筆頭格です。高配当で事業の参入障壁もあり、安定したキャッシュフローが見込めるなどまさに配当投資家のマネーマシン言っても過言ではないでしょう。

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 51年
S&P格付け BBB
従業員数 7300人
創業年 1822年
上場年 1923年
決算 12月

PERとPBRの推移

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

タバコに対する逆風が表面化し、株価が下落を始めた頃からPERは下落を続けています。ESG投資により、タバコ等の銘柄に資金がまわりにくくなってきた結果株価は下落しています。

アルトリア・グループ【MO】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開


近年まで長年右肩上がりを続け投資家に対して、長期的に大きなリターンをもたらしてきた銘柄でしたがここ数年でたばこ業界に吹き荒れる逆風などから株価が半分ほどになってしまいました。たばこ規制はタバコに関して常についてきたリスクであり、いまになって驚くようなことでもない上に業績に直結するほど深刻な事が起こっているわけでもないため今の安い時期が配当投資家にとってはチャンスだと考えています。

逆風のタバコ株

近年タバコ株は、ESG、健康志向、健康志向に伴うタバコ規制で売上本数も流入資金も共に下落しています。

ESGによって機関投資家がタバコ株や燃料系企業を投資対象から外し始めたり、健康志向によって禁煙・嫌煙が増加し喫煙者はタバコを吸う場所が限られたり増税を強いられたりしています。

そして、その健康志向により電子タバコなど派生商品への規制が進んだり広告も規制されてしまったりしています。

しかし、タバコは依存性が強くそう簡単にやめられるものでなければなくなりもしません。よって値上げによって売上金額を維持した上で本数が減っているので原価は下がり、寧ろ広告が規制されたことで広告費が浮き営業利益率向上の手助けになっている皮肉な一面もあります。

タバコは「罪の株」とも呼ばれ投資を避ける著名投資家もいます。バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットは過去にタバコ株を

「It costs a penny to make. Sell it for a dollar. It’s addictive. And there’s fantastic brand loyalty.」

訳 「作るのに1セントかかる。 1ドルで売る。 中毒性があります。 そして、素晴らしいブランドロイヤルティがあります。」

と絶賛していますが、投資はしておらず過去にタバコ業界への投資を断ってもいます。その理由は

I’m wealthy enough where I don’t need to own a tobacco company and deal with the consequences of public ownership.

訳 私はたばこ会社を所有し、公有の結果に対処する必要がないほど裕福です。

この意図はおそらく、タバコが及ぼす結果に社会的責任を負う事を示しているのだと私は考えています。

引用元は最後の関連情報に掲載しています。

アルトリア・グループ【MO】の財務分析

直近5年をグラフにしてそれより前のデータがあるとより理解が深まると思われるものはグラフの外で更に5年ほど前まで載せています。

売上高と営業利益等の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
売上高 16,824 16,892 16,619 17,500 17,663 17,945
営業利益 6,387 6,618 6,660 7,520 8,360 7,860

 売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。横ばいとなっています。タバコは売上数が年々減少しているのですが、値上げによって売上高を維持する事ができています。

営業利益と純利益の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益 6,387 6,618 6,660 7,520 8,360 7,860
純利益 3,206 3,905 3,390 4,180 4,535 5,070

同じく営業利益は横ばいが続いています。しかし、微増しておりアルトリアの価格決定力など事業の底硬さも見えます。

営業利益率と純利益率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益率 37.96% 39.18% 40.07% 42.97% 47.33% 43.80%
純利益率 19.06% 23.12% 20.40% 23.89% 25.68% 28.25%

2019年の純利益率は特殊な状況で急落していますが、営業利益やキャッシュフローその他に問題はありませんので特に気にする必要はないかと思います。

営業利益率は一貫して伸び続けており、タバコ需要の低下でも強い事業である事がわかります。

BPS・EPS・SPSの推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
EPS 2.67 7.28 5.31 3.68 -0.7

過去のデータ

2009 2010 2011 2012 2013 2014
EPS 1.54 1.87 1.64 2.06 2.26 2.56

 順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

安定した数字とSPSの伸びがわかります。後述のように自社株買いを大きく行っており、その影響もあります。

貸借対照表

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

流動資産そのものは多いと言えませんが、現金創出力と資金繰りはかなり良好で心配はいらないでしょう。

キャッシュフローの推移

 

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

キャッシュフローも何も問題はありません。十分な営業キャッシュフローとそこから生まれるフリーキャッシュフローが株主還元の源泉となっています。

そして、タバコ企業の特徴として新たな投資をあまり必要としないポイントがあります。これはまさに参入障壁とブランドそのものが大きなビジネス上の利点となっていると見る事ができるポイントです。

自己資本比率・営業キャッシュフローマージンの推移

健全性を示す自己資本比率、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

 自己資本比率はその名の通り総資産に占める自己資本の割合で計算されます。

 営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

 一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。アルトリア・グループは15%を上回っており、30%近辺を出していたりと非常に優れたキャッシュフローを得る力がある事がわかります。

アルトリア・グループ【MO】の株主還元(配当と配当性向・増配率)

配当と配当性向・増配率の推移

 配当金と配当性向の推移を記載しています。2019年がすごいことになっていますがこれは特殊な要因でありキャッシュフローや営業利益率が示すようにさほど気にする必要はないでしょう。

増配率は8%近く高めです。配当性向も80%を目標にしており、近年の水準で維持されれば問題はないと思われます。

発行済み株式数の推移

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

まとめ

タバコ業界は逆風に晒されていますが、タバコは長期的にも存在こそし続けるでしょう。現在も増配を続けており、割安な高配当銘柄として残り続けています。

これまで述べたように様々な困難がついている業界ですが、配当投資家にはかなり有力な選択肢であると考えています。

アルトリア・グループ【MO】の関連記事・参考情報

こちらは、バフェットがタバコ株に投資をしなかったエピソードとその考察がなされた記事になります。

Here’s Why Warren Buffett Won’t Buy Altria or Philip Morris International

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