JPモルガン・チェース【JPM】の株価・銘柄分析と今後 世界最大の総合銀行

JPモルガン・チェース【JPM】の基本情報と歴史

JPモルガン・チェースは2000年にJPモルガンとケミカル(チェースマンハッタン銀行)の合併によって誕生しました。現在は日本も含めた世界60ヶ国以上で事業を行っています。

その後も買収を重ね米国内において最大の資産規模の銀行となりました。グループの中でJPモルガンは富裕層向けの投資銀行・チェース銀行は商業銀行として米国内の中小企業や個人向けにリテール業務を行うなどして活動しています。米国の金融緩和縮小による利上げで利ざやが改善しつつありましたが、再び利下げに入ったことで再び利ざやが縮小しつつあります。しかし、債券や為替相場でのトレーディング収入などもあり非常に強固な金融機関です。

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 10年
S&P格付け A-
従業員数 256981人
創業年 1799年
上場年 1969年
決算 12月

JPモルガン・チェース【JPM】の株価推移


2019年はM&Aが活発で投資銀行部門の手数料が好調、一般消費者向け業務も堅調と好業績に加え、米国全体の好調な経済状況もあり上昇基調でしたが、2020年に入り新型コロナウイルス(COVID−19)の世界的流行とそれに伴う金利の下落を受けて株価は急落しました。金融セクターは全体的に割安感があります。景気敏感株ではありますが今後もアメリカ経済と共に発展していくと思われます。また、配当利回りも比較的高く約10年の連続増配と実は高配当株の一つとも言えます。

PERとPBRの推移

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

銀行株らしく割安に放置され続けています。低金利で収益性に懸念がある点があると思われますが、事業の盤石さはリーマンショック以降増しており、銀行経営は健全そのものです。

将来の景気拡大や新たな金融サービスにより飛躍する可能性を秘めています。

JPモルガン・チェース【JPM】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。消費者向け金融事業、投資銀行業務、資産運用業と総合銀行として非常にバランスの取れた事業構成となっています。

貸し出し業務が厳しい低金利環境下では投資銀行業務及び投資運用業が大きな利益を獲得しています。

国・地域別売上高比率

その企業の売上高が地球上のどこで生み出されたものなのかを表しています。利益の大多数をアメリカで獲得し、残りを世界全体で分けている形です。

金融セクターの苦境

近年リーマンショックから景気回復が見られており、2016年にはゼロ金利政策も解除され着々と利上げが進んでいましたが、2020年になって一気に環境が変わりました。

4月6日にJPモルガン・チェース(JPM)のジェイミー・ダイモンCEOは株主に宛てた年次書簡の中で自行の収益は「2020年には大幅に減少する」と予想し、米国経済も深刻な景気後退に陥るとの見方を示しました。

死者数が減少するなどコロナウイルスの影響も底打ちの兆しが見えてきたとの見通しがある中ですが、このリーマンショック時代からCEOである同氏は早くからコロナウイルスの影響が長期化する見通しを示し現在も景気後退への懸念を依然として持っています。

長期金利は0.7%台と歴史的な低水準で住宅ローンや個人ローンに関しても滞納の増加が見込まれ銀行セクターの収益は依然として厳しい状態に置かれており、米国の大手金融機関が配当を維持するのかに関しては市場関係者の中でも様々な声があります。

JPモルガン・チェース【JPM】の財務分析

直近5年をグラフにしてそれより前のデータがあるとより理解が深まると思われるものはグラフの外で更に5年ほど前まで載せています。

※銀行セクターは特殊な財務状況をしています。投資をする上で分かりやすく伝えることに主眼を置いて書いていますので細かい説明は避けますが、一般的な投資対象として見る際は営業収益・純利益・自己資本比率・株主還元状況を主に見ていただくといいでしょう。

営業収益と純利益の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業収益 68,419 86,055 89,660 91,658 97,142 91,973
純利益 11,728 17,370 18,976 21,284 17,923 21,745

営業収益と純利益の推移を示しています。年々右肩上がりで収益を上げています、貸し出し金利は低下しても投資銀行部門が収益を上げるため利下げに伴う影響をうまくカバーし成長位つなげています。

純利益率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
純利益率 17.14% 20.18% 21.16% 23.22% 18.45% 23.64%

純利益率は一貫して好調です。経営の効率が良く非常に高い水準を保ち続けてきました。

BPS・EPS・SPSの推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
EPS 6 6.19 6.31 9 10.72

過去のデータ

2009 2010 2011 2012 2013 2014
BPS 39.88 43.04 46.25 51.27 52.05 56.86
EPS 2.26 3.96 4.48 5.2 4.34 5.29

 順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

EPSを含むそれぞれの指数は年々上昇しています。銀行としては

貸借対照表

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

銀行なので他の業種とは違った特殊な形をしています。特に問題点はないでしょう。

キャッシュフローの推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
フリーCF 121,897 -3,752 95,932 25,079 107,953 36,593

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

ROE・自己資本比率・営業キャッシュフローマージンの推移

 こちらは経営の効率性を示すROE、健全性を示すROE、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

 自己資本比率はその名の通り総資産に占める自己資本の割合で計算されます。銀行の中ではまずまずの水準と言えます。

 営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

 一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。振れ幅が大きく見えますが、銀行なので一概にこれではかることはできません。

JPモルガン・チェース【JPM】の株主還元(配当と配当性向・増配率)

配当と配当性向・増配率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
配当 0.2 0.2 1 1.2 1.44 1.58
配当性向(%) 8.85% 5.05% 22.32% 23.08% 33.18% 29.87%

 配当金と配当性向の推移を記載しています。株主還元には積極的でリーマンショックでも無敗になりませんでした。配当は年々大きく伸び続けています。

配当の支払いに関してはダイモンCEOが4月に発表した株主に宛てた書簡で現在4%前後の利回りで推移している配当に関しても新型コロナウイルスの影響により第2四半期にGDPが最大35%減少し、第4四半期に失業率が14%(3月時点4.4%)まで達した場合、配当停止を検討すると示唆していましたが、懸念されたほどではなかったため現在のところ配当は支払われ続けると見られています。

配当性向も低く経営の健全性を維持した配当水準です。新型コロナウイルス流行を受けてFRBより、昨年の配当または最近の利益を超えないように求められているため少なくとも年末までは増配はないでしょう。

発行済み株式数の推移

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

長く積極的な自社株買いを行なっていましたが、2020年の新型コロナウイルスを受けてFRBが銀行に対し自社株買い停止の措置を発表したため現在は行われていません。(この措置は9月30日に年末まで延長されることが発表)

まとめ

再び銀行株は貸倒れの懸念、引当金の計上、金利の低下と銀行にとって良い環境要因は皆無と言ってもいいような状況下です。

しかし、2016年年以前のように投資銀行部門が上手くトレーディング収益を上げることで凌ぐことができます。今後はキャッシュレス決済など、新たな金融の形に対応すべく改革を進めており規模も大きく基盤の強い企業であるので将来に期待することができると思います。

JPモルガン・チェース【JPM】の関連記事・参考情報

他の銀行セクター一般について書いた記事です。

コロナウイルスと景気後退懸念で下落した米国の優良銀行株

2020年4月2日

[注目トピックス 経済総合]NYの視点:JPモルガンのCEO、深刻なリセツションや金融ひっ迫を警告

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