ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の株価・銘柄分析と今後 世界最大のヘルスケア企業

ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の基本情報と歴史

ジョンソン・エンド・ジョンソンは特に医療機器の世界で世界首位であり、医薬品では世界5位で60カ国を中心とした世界中に250社以上の子会社を有する世界最大のトータルヘルスケア企業です。消費者、医療機器・医薬品という3つの事業区分により構成されそれぞれの研究・開発・製造・販売などを手掛けています。医療機器では世界シェア首位級を誇り、身近なブランドで代表的な物ではバンドエイドなどがあります。研究施設は米国、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、日本、オランダ、シンガポール、スイス、英国にあります。また、リーマンショックを始めそれ以外にも起こった数々の危機を乗り越え50年以上の増配を続けている配当王銘柄でもあります。

ロバート・ウッドジェームス・ウッドエドワード・ミードのジョンソン三兄弟が創業した。滅菌の概念を世界で初めて製品に導入。50年以上10%成長を続けている。家庭用のバンドエイド綿棒、ベビーオイルから医療機関で使用する医療機器、薬剤、薬、コンタクトレンズアキュビューなどを製造販売している。一般企業の社訓にあたるOur Credo(我が信条)が有名。

Wikipediaより引用(ジョンソン・エンド・ジョンソン)

滅菌の概念を世界で初めて製品に導入とはまさに当時の世界を変えた企業です。この長い歴史の中で多くの人の命を救って来ました。

2019年に日本のドクターシーラボを買収し、その後も肺癌手術を主体に手術のロボット技術を有するオーリスヘルスを買収するなど今もなお新しい医療のために企業規模の拡大を続けています。

医薬品事業と医療機器事業の区分に加え、以下のように売上の地理的な分散もされており非常に安定した事業を行っています。

この事業の安定性は債務格付けにも現れており、2020年10月時点でS&P格付けに置いて最上位の「AAA」を有する世界に2社しか無い企業の一つです。(もう一社はマイクロソフト【MSFT】)

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 58年
S&P格付け AAA
従業員数 132200人
創業年 1887年
上場年 1944年
決算 12月
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ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の株価推移


長く市場をアウトパフォームしてきたヘルスケアセクターの代表格とも言える企業であり、長い間株価は上昇し続け長期に渡り右肩上がりしています。

最近少しオピオイド訴訟やベビーパウダーの自主回収などで低調気味ではありますがこれらの問題を過去に何度も乗り越え自社の評判を守り抜いた企業であり、業績には影響ないものと思われます。

新型コロナウイルス(COVID–19)のワクチン開発でも主要な役割を果たしています。私はこの2020年の動きでヘルスケアセクターのように人類の命運に直結する産業の強さを感じました。

PERとPBR・配当利回りの推移

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
PER 19.2 18.43 18.75 19.42 294.83
PBR 3.52 4.19 3.98 4.43 6.23
配当利回り 2.6 2.86 2.84 2.65 2.67
2017年 2018年 2019年 2020年
PER 22.7 25.89 28.56
PBR 5.67 6.45 6.55
配当利回り 2.73 2.82 2.68

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

概ね20~25倍前後のPERで推移し続けている形となりました。

ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。

製薬事業が過半数の構成となりました。製薬事業は常に新しい新薬の開発に追われる事業となります。バフェットはかつてジョンソン・エンド・ジョンソンを1.2%ほど保有していましたが、この製薬事業の比率を高めた時期あたりに経営への疑念を持った事が報道されており、実際に売却されています。

他は医療機器、消費者向け医療用品等の順に続いており製薬部門の他ではしっかりバランスをとっています。

しかし、その後も株価は上昇を続けており基本的にはその後も保有していた投資家も大きなリターンを得られた形です。

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国・地域別売上高比率

その企業の売上高が地球上のどこで生み出されたものなのかを表しています。

主に北米で収益を出していますが、残り半分は満遍なく各地に散らばっており世界中で同社の製品が使われている事がわかります。

世界最大の総合ヘルスケア企業

ジョンソン・エンド・ジョンソンは世界最大の総合ヘルスケア企業です。製薬会社はジェネリック医薬品等の台頭や売れ行きの明るい新薬を開発するか買収するなどして手中に収めることができないと厳しい面がありますが、ジョンソンエンドジョンソンは医薬品のみならず医療機器でも世界トップ級のシェアを誇ります。

長期的に高いリターンをもたらしたヘルスケア業界の代表格ともいえる企業で長期投資に非常に良い対象だと考えています。

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の業績データ

売上高と営業利益等の推移

グラフA 売上高と利益

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高 61,897 61,587 65,030 67,224 71,312 74,331 70,074 71,890 76,450
営業利益 16,776 16,527 16,153 15,869 18,377 20,959 18,065 21,136 18,714
純利益 12,266 13,334 9,672 10,853 13,831 16,323 15,409 16,540 1,300
2017年 2018年 2019年 2020年
売上高 81,581 82,059 82,584
営業利益 20,049 20,080 19,914
純利益 15,297 15,119 14,714

 売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。売上高の成長が長い間続いており、いかに業界内で不動の地位を有するかが示されています。

売上高の成長に対して、近年多くのコストが嵩んだ事や10万件以上抱える訴訟費用やその引き当てなどからここ数年伸び悩んでいます。ジョンソン・エンド・ジョンソンはコスト削減の成否が業績に及ぼす物が大きい事が多々あります。

このように営業利益としては現れていませんが、売上高の成長は後述のキャッシュフローの面で同社の強みとして非常に大きく現れています。

営業利益率と純利益率の推移

グラフC 営業利益率と純利益率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業利益率 27.10% 26.84% 24.84% 23.61% 25.77% 28.20% 25.78% 29.40% 24.48%
純利益率 19.82% 21.65% 14.87% 16.14% 19.40% 21.96% 21.99% 23.01% 1.70%
2017年 2018年 2019年 2020年
営業利益率 24.58% 24.47% 24.11%
純利益率 18.75% 18.42% 17.82%

営業利益は近年停滞気味ですが、元々の営業利益率が25%前後で安定しているため懸念になる事はないでしょう。

非常に優秀な数値であると思います。

営業利益率・純利益率・売上高成長率の推移

グラフD 成長率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高成長率 -0.50% 5.59% 3.37% 6.08% 4.23% -5.73% 2.59% 6.34%
営業利益成長率 -1.48% -2.26% -1.76% 15.80% 14.05% -13.81% 17.00% -11.46%
純利益成長率 8.71% -27.46% 12.21% 27.44% 18.02% -5.60% 7.34% -92.14%
2017年 2018年 2019年 2020年
売上高成長率 6.71% 0.59% 0.64%
営業利益成長率 7.13% 0.15% -0.83%
純利益成長率 1076.69% -1.16% -2.68%
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1株の価値(BPS・EPS・SPS・CFPS)の推移

グラフE 1株の価値

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
BPS 20.6 22.53 23.33 24.75 27.52 25.86 26.75 27.58
EPS 4.4 4.78 3.49 3.86 4.81 5.7 5.48 5.93 0.47
2017年 2018年 2019年 2020年
BPS 24.27 22.11 24.49
EPS 5.61 5.63 5.51

グラフE2 1株当たりの売上高

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりの売上高(SPS) 22.08 23.43 23.91 24.79 25.95 24.91 25.78 27.85
2017年 2018年 2019年 2020年
1株当たりの売上高(SPS) 29.91 30.57 30.93

グラフE3 EPSと1株当たりフリーCFの比較

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりフリーCF(CFPS) 5.02 4.11 4.43 4.80 5.15 5.62 5.57 6.48
2017年 2018年 2019年 2020年
1株当たりフリーCF(CFPS) 6.79 7.42 7.56

順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)CFPS(1株あたりフリーキャッシュフロー)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

CFPSは会計上の利益では無くフリーキャッシュフローの面から数字を出します。基本的にEPSと一致しますが、会計処理の方法が変わったり「純利益は減少したがフリーCFは増加した」場合などにより正確な情報を読み取る事ができます。

EPSを見ていくと右肩上がりというほどではありませんが安定して少しずつ上昇気味に推移しています。為替変動の懸念はありますが、時間をかけて確実な成長を続けています。

一株あたりに直しても特に売上高の成長は顕著に現れています。これがEPSに反映されるようなコスト削減が急がれます。

キャッシュフローの推移

グラフH キャッシュフロー

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業CF 15,396 17,414 18,471 19,279 18,767 21,056
投資CF -4,510 -5,103 -12,305 -7,735 -4,761 -14,868
財務CF -6,091 -6,091 -12,260 -10,846 -8,551 -7,673
フリーCF 12,462 13,819 14,757 15,816 15,541 17,777
2017年 2018年 2019年 2020年
営業CF 22,201 23,416 23,536
投資CF -3,167 -6,194 -20,825
財務CF -18,510 -18,015 -6,120
フリーCF 18,531 19,918 20,189

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

ここでは主に営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローを紹介します。投資や財務コストに関しては設備投資やインスタント・カバレッジ・レシオを参照ください。

EPSに反映されていませんが、売上高と共に営業・フリーキャッシュフローは伸び続けています。この収益力こそ株主還元に積極的な同社の源泉と言えるでしょう。

グラフS キャッシュフロー比率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業キャッシュフロー成長率 -1.12 -12.74 7.68 13.11 6.07 4.37 -2.66 12.2
フリー・キャッシュ・フロー成長率 -1.44 -18.54 9.27 10.89 6.79 7.18 -1.74 14.39
売上高に対する投資の規模 3.87 4.45 4.36 5.04 5 4.94 4.49 4.29
2017年 2018年 2019年 2020年
営業キャッシュフロー成長率 5.44 5.47 0.51
フリー・キャッシュ・フロー成長率 4.24 7.48 1.36
売上高に対する投資の規模 4.5 4.26 4.05

営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローの成長率と売上高に対する投資の規模を示しています。

投資がどれだけ売上高に結びついているかを知ることができます。

の株主還元の推移

配当金・配当性向・増配率の推移

グラフF 配当と配当性向・増配率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
配当 1.93 2.11 2.25 2.4 2.59 2.76 2.95 3.15 3.32
配当性向(%) 43.86% 44.14% 64.47% 62.18% 53.85% 48.42% 53.83% 53.12% 706.38%
増配率 9% 7% 7% 8% 7% 7% 7% 5%
2017年 2018年 2019年 2020年
配当 3.54 3.75 3.98
配当性向(%) 63.10% 66.61% 72.23%
増配率 7% 6% 6%

配当金と配当性向の推移を記載しています。

連続増配かつ配当利回りもが比較的高いにもかかわらず、配当性向が高くて60%台とかなり余裕を持っています。一時的に業績が傾いたとしても減配を心配しなくてよさそうな水準です。2017年だけ異常な配当性向になっていますがこれは税制改正の影響で一時的な物となります。

安定した増配率で成長と増配を今後も続ける事が期待されます。

 

発行済み株式数の推移

グラフL 発行済み株式数

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
発行済み株式数(百万) 2,789 2,775 2,812 2,877 2,864 2,813 2,789 2,745
2017年 2018年 2019年 2020年
発行済み株式数(百万) 2,728 2,684 2,670

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

増配に加えて自社株買いを継続的に行っています。これらの株主還元への姿勢が投資家の信頼につなっています。

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の財務諸表と財務データ

貸借対照表

グラフO・P 貸借対照表

2010~2017

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
現金・短期投資 26.88 28.39 17.38 22.01 25.24 28.77 29.68 11.63
売掛金・売掛債権 9.5 9.31 9.32 8.83 8.38 8.05 8.28 8.58
棚卸資産 5.23 5.53 6.18 5.94 6.24 6.04 5.77 5.57
その他の流動資産 4.37 4.57 5.13 5.74 5.38 2.28 2.32 1.61
有形固定資産 14.14 12.97 13.27 12.59 12.3 11.92 11.27 10.81
無形固定資産 31.11 30.16 42.17 38.25 37.41 35.52 35.18 54.12
その他の長期資産 8.78 9.07 6.56 6.65 5.05 7.42 7.49 7.68
2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
買掛金 5.46 5.04 4.81 4.72 5.82 5 4.9 4.65
短期借入金 7.4 5.86 3.85 3.66 2.77 5.25 3.32 2.48
未払税金 0.56 0.75 0.88 0.58 0.38 0.56 0.69 1.18
未払負債 8.99 8.42 8.46 8.29 8.06 8.13 7.82 9.23
その他の短期負債 2 2.11 2.1 1.85 1.9 1.88
長期借入金 8.9 11.41 9.47 10.04 11.53 9.64 15.89 19.5
その他の長期負債 13.7 18.29 17.12 14.79 16.14 16.23 15.62 22.84

2018~

2017年 2018年 2019年 2020年
現金・短期投資 12.87 12.23 14.4
売掛金・売掛債権 9.22 9.18 7.76
棚卸資産 5.62 5.72 5.34
その他の流動資産 2.39 1.58 1.79
有形固定資産 11.14 11.2 10.73
無形固定資産 51.04 51.53 51.34
その他の長期資産 7.73 8.57 8.63
2017年 2018年 2019年 2020年
買掛金 4.93 5.42 5.43
短期借入金 1.83 0.76 1.5
未払税金 0.53 1.44 0.8
未払負債 11.1 13.06 14.57
その他の短期負債 2.03 2.13 1.99
長期借入金 18.1 16.8 18.66
その他の長期負債 22.42 22.7 20.86

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

財務はかなり良好で自己資本比率高く、流動資産及び現金同等物で流動負債を完済する事ができる水準です。

この貸借対照表や以下のキャッシュフローは数字のみの記載となっていますが、実際の内容は非常に質の高い財務状況で冒頭に記載の通り、ジョンソン・エンド・ジョンソンは世界に2社しか無い格付けで最上位のAAAを有する企業の一つです。(もう一社はマイクロソフト【MSFT】)

グラフR 損益計算書(費用と利益)

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上原価 30.51 31.31 32.22 31.33 30.6 30.73 30.16 33.16
売上総利益 69.49 68.69 67.78 68.67 69.4 69.27 69.84 66.84
販売費及び一般管理費 31.54 32.25 31.04 30.61 29.54 30.26 27.74 28.02
研究開発費 11.11 11.61 13.13 12.29 11.67 13.23 12.69 14.34
その他
営業利益 26.84 24.84 23.61 25.77 28.2 25.78 29.4 24.48
資産運用利益 0.68 -5.83 -3.11 -4.08 -0.53 1.61 -1.85 -1.36
2017年 2018年 2019年 2020年
売上原価 33.21 33.58 34.42
売上総利益 66.79 66.42 65.58
販売費及び一般管理費 27.63 27.03 26.74
研究開発費 14.59 14.92 14.72
その他
営業利益 24.58 24.47 24.11
資産運用利益 -2.51 -3.35 -4.14

業績の蘭で紹介済みの収益に対応した損益計算書の費用項目と残った利益を表記しています。

財務状態と健全性

グラフG 財務データ

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
有利子負債比率(%) 16.3 17.27 13.32 13.7 14.3 14.89 19.21 21.98
自己資本比率(%) 54.98 50.23 53.42 55.81 53.2 53.33 49.87 38.24
2017年 2018年 2019年 2020年
有利子負債比率(%) 19.93 17.56 20.16
自己資本比率(%) 39.07 37.7 36.18

ここでは、有利子負債比率・自己資本比率を紹介します。この自己資本比率と有利子負債比率は企業の健全性を大きく表しているので注目しましょう。

グラフQ 財務比率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
流動比率 2.05 2.38 1.9 2.2 2.36 2.17 2.47 1.41
当座比率 1.62 1.88 1.34 1.59 1.75 1.77 2.04 1.04
財務レバレッジ 1.82 1.99 1.87 1.79 1.88 1.88 2.01 2.61
負債比率 0.16 0.23 0.18 0.18 0.22 0.18 0.32 0.51
2017年 2018年 2019年 2020年
流動比率 1.47 1.26 1.21
当座比率 1.08 0.94 0.91
財務レバレッジ 2.56 2.65 2.76
負債比率 0.46 0.45 0.52

流動比率、当座比率、財務レバレッジ、負債比率を示しています。

流動比率は流動負債に対する流動資産の割合で計算され、短期的な支払い能力を示しています。当座比率は、流動資産の中で「現金預金」「受取手形」「売掛金」などの現金化しやすい資産だけで計算される、流動比率よりも厳しい基準で見た短期的支払い能力の指標です。

財務レバレッジ銀行借入や社債発行などを活用して自己資本を梃子(レバレッジ)にどれだけ負債を活用しているかを示しています。後述される自己資本比率の逆数関係にあり、負債をどのくらい有効活用しているかを表すため、この倍率が高くなると、負債増加によるリスクが顕在化するため注意する必要があります。

 

設備投資額と研究開発費・減価償却費の推移

グラフJ 事業投資

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
設備投資 2,951 3,526 3,168 3,361 3,194
減価償却費 4,095 4,042 3,880 3,958 4,821
研究開発費 8,183 8,494 9,046 9,095 10,554
2017年 2018年 2019年 2020年
設備投資 3,433 3,582 3,494
減価償却費 6,618 6,974 7,126
研究開発費 10,775 11,355 12,159

 

設備投資や研究開発費の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資や研究開発費が何を目的にしているかは見極める必要があります。

常に研究開発や設備投資を行い今日の成長に繋がってきた企業であり、毎年設備投資が多くなっています。これは売上高の成長に反映される形で確実に回収されており懸念には及ばないでしょう。

ROE・ROA・営業キャッシュフローマージンの推移

グラフI 経営の効率性

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
ROE(自己資本利益率) 24.88 17.02 17.81 19.92 22.7 21.87 23.37 1.99
ROA(総資産利益率) 13.5 8.93 9.24 10.89 12.38 11.65 12.05 0.87
営業CFM 26.60% 21.99% 22.90% 24.42% 24.85% 27.51% 26.11% 27.54%
2017年 2018年 2019年 2020年
ROE(自己資本利益率) 25.51 25.36 23.97
ROA(総資産利益率) 9.86 9.73 8.85
営業CFM 27.21% 28.54% 28.50%

こちらは経営の効率性を示すROEとROA、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

ROAは総資産利益率を表しており、会社が有する資産を活用してどれほどの利益を上げる事ができているかを表しています。

営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

15%を超えていれば良好と言える中で28%近辺を推移しており、かなり良い状況です。

グラフI-2 経営の効率性2

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
投資資本利益率(ROIC) 19.65 13.39 14.22 16.39 18.47 17.55 17.86 1.69
インタレスト・カバレッジ・レシオ 38.25 22.64 26.89 33.1 39.58 35.78 28.28 19.92
資産回転率 0.62 0.6 0.57 0.56 0.56 0.53 0.52 0.51
2017年 2018年 2019年 2020年
投資資本利益率(ROIC) 16.9 17.01 15.93
インタレスト・カバレッジ・レシオ 18.91 55.49 83.07
資産回転率 0.53 0.53 0.5

こちらでは投下資本利益率(ROIC)、インスタント・カバレッジ・レシオ、資産回転率の推移を示すグラフを掲載しています。

投下資本利益率は自己資本や有利子負債も含めた事業活動のために行われた投資がどれだけの利益を生み出したかを数字にしています。

インスタント・カバレッジ・レシオは、会社が営業活動により生み出す利益(基本的に営業利益)と金融収益(受取利息と受取配当金が主に該当)が、毎年の支払利息をどの程度上回っているかを示しており、 企業の財務健全性を示す数値であり、この数値が高いほど金利の支払いなどに関して財務的に余裕があります。反対に比率が低いと営業収益のうち多くの割合が支払利息に当てられる形で負債元本が減らず、財務上厳しい状態にあります。

総資産回転率は企業の資産が効率的に売上に結びついていることを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。

財務効率と回転率等

ここでは財務効率などに関連した数値を解説していきます。

グラフU 財務効率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売掛金回収期間 57.54 57.12 59.43 58.92 55.73 56.56 56.95 60.13
在庫日数 102.53 104.54 116.12 125.57 128.87 137.6 136.31 121.71
回収期間 108.42 101.72 97.38 98.81 111.52 121.19 114.34 102.41
現金循環日数 51.66 59.95 78.17 85.68 73.08 72.97 78.92 79.43
2017年 2018年 2019年 2020年
売掛金回収期間 61.72 63.56 62
在庫日数 116.97 116.69 117.9
回収期間 100.02 106.5 115.87
現金循環日数 78.67 73.74 64.02

ここでは、売掛金回収期間と在庫日数、回収期間、現金循環日数を紹介していきます。

売掛金回収期間は売掛金がどれくらいの期間をかけて回収されているかを日数で表しており、その日数が短いほど現金化までにかかる期間が短く資金を効率的に活用できていることになります。

在庫日数は在庫として滞留している日数を表しています。在庫として保有している商品の総数が売上の何日分と言い換えることも出来、この日数が少ないほど在庫量は適正な数にコントロールできていると考える事ができます。

回収期間は投資金額が投資によって生まれるキャッシュフローで計算して何年で回収することが出来ているかを表します。設備投資に関する収益性計算には様々な方法が存在しますが回収期間を指標とした場合、この期間が短いほど安全に効率的な投資ができていると考える事ができます。

現金循環日数は「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」とも言われ、企業が商品を仕入れるために支出を行なってから売上及び売上債権の回収によって現金を得るまでの期間を指します。この日数が長いほど、手元の現金が減っている期間が長い事になり資金繰りの懸念が現れるため、経営状態を表す重要な指標とも言えます。

グラフV 財務効率 回転率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上債権回転率 6.34 6.39 6.14 6.2 6.55 6.45 6.41 6.07
棚卸資産回転率 3.56 3.49 3.14 2.91 2.83 2.65 2.68 3
固定資産回転率 4.2 4.44 4.36 4.35 4.53 4.38 4.52 4.64
 資産回転率 0.62 0.6 0.57 0.56 0.56 0.53 0.52 0.51
2017年 2018年 2019年 2020年
売上債権回転率 5.91 5.74 5.89
棚卸資産回転率 3.12 3.13 3.1
固定資産回転率 4.79 4.73 4.53
 資産回転率 0.53 0.53 0.5

ここでは、回転率を中心に解説します。売上債権回転率、棚卸資産回転率 固定資産回転率 資産回転率を紹介しています。

売上債権回転率は会社が有する売上債権の回収がどのくらいの期間で行われているかを示す指標で、この数字が低いほど債券の回収に時間がかかっており、資金の効率的な活用が妨げられている事になります。

棚卸資産回転率は在庫回転率と言われることもあり、仕入から売上に至るまでの在庫期間によって適切な在庫量などの判断をするための指標であり、在庫を減らしている会社はこの比率が高くなります。在庫回転率が低いと言う事は顧客に販売される事なく在庫として保持する数が多く、管理コストや廃棄リスクを負っていることになります。

固定資産回転率は保有する固定資産が効率的に活用されているかを示しています。この比率が低い場合は保有する固定資産が有効に活用されることなく滞留している疑いがあり、固定資産への投資が過剰である可能性があります。

総資産回転率は企業の資産がどれだけ効率的に売上に結びついているかを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。売上高が総資産の何倍あるかを見ることでその売上に貢献した企業の総資産がどれほど効率的に活用されているかを測ります。(「グラフI-2 経営の効率性2」で解説済みです)

まとめ

世界最大のヘルスケア企業で長い歴史を通じて、医薬品と医療機器の分野で株主と社会から信頼を得て成長を続ける有数の優良企業です。

人類の命運を左右するヘルスケアセクターであり、今日のコロナウイルスのワクチン開発でも度々報道を目にします。

非常に幅広く分散された総合ヘルスケア企業であり、医薬品から医療機器まで世界中で事業を継続し成長させてきています。今後の世界で医療・衛生の分野はまだまだ成長余地がありそれによる業績増加と共に増配で株主に高いリターンをもたらすでしょう。

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