インテル【INTC】の株価・銘柄分析と今後 PC用CPUで圧倒的な世界最大の半導体企業

インテル【INTC】の基本情報と歴史

インテルは世界最大の半導体メーカーです。本来はメモリを作る会社でしたが1985年に撤退しマイクロプロセッサ事業に集中しています。収益の柱でもあるCPU(中央演算装置)は自社一貫生産に強みを持ち極めて高いシェアを維持し続けています。買収にも積極的で2015年に集積回路で有名なアルテラを買収、2017年には自動運転のモービルアイを買収するなど新たな分野にも活路を見出そうとしています。デスクトップパソコンの売り上げが減少するなかでも値上げやノートパソコンが堅調だったことにより業績を上げました。

モバイル分野では自社生産ではなく技術提供を行うARMに遅れをとってしまいましたが、モービルアイの買収などを活かし、新技術を通じてIoTやデータセンター向けの事業で新たな成長機会を得ようと取り組んでいます。

2019年にはモバイル向け半導体事業をAppleに売却するなど、事業の整理も行っています。

「インテル入ってる」のCMが割と有名なのでは無いでしょうか?

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 5年
S&P格付け A+
従業員数 110800人
創業年 1968年
上場年 1971年
決算 12月

インテル【INTC】の株価推移


ITバブル期の株価を超えられずにいますが、それに迫りつつあるのと当時の株価が異常だったことを考えれば特におかしなことではないと思います。その株価はここ十年で再び成長を遂げながら大きく上昇してきています。

2019年には営業利益の減益を経験しましたが、データセンターや半導体需要の回復、IoTや5Gに向けた需要などで業績は回復の兆しを見せています。

これらの5G、IoT向け半導体を中心とする需要の拡大によって成長は続く見込みです。

PERとPBRの推移

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

21世紀初頭のインターネットバブル期とは比べ物にならないほど割安になりました。既に半導体で確固たる地位を得ており、他社も育っているため中々ここから大きな成長が期待されにくいと言った点から来ているのでしょう。

しかし、今後の更なるIT需要に伴いインテルが強みを上手く発揮すれば再び大きな期待を得る可能性はいまだ残されています。

インテル【INTC】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。データセンターとコンピューター関連半導体が売上の大多数を占めています。

国・地域別売上高比率

その企業の売上高が地球上のどこで生み出されたものなのかを表しています。技術革新が進む中華人民共和国での売上が1位となっています。次いでアメリカ、シンガポールとまさに半導体需要の縮図とも言える売上高構成になっています。

有名どころでアリババや百度がインテル製の半導体を採用しています。

IoTと5Gに向けた半導体需要

パソコン用CPUで世界1位のインテルですが、サーバー用CPUでも非常に強く、競合他社の追い上げを受けておりGPUの大手ではあるものの同じ半導体大手であるエヌビディア【NVDA】に時価総額で抜かれ、インテルの株価はPERにして10倍前後で放置されるなど株式市場の評価は完全に他社へ向いていると言えます。

しかし、インテルは近年急拡大を続けるクラウドコンピューティングとは別で端末を使い人工知能などの先端技術を操作するエッジコンピューティングの世界で未だ強力な地位を保っています。

インテルはこのエッジコンピューティング市場が2024年までに650億ドルを超える市場規模に拡大すると予想しており、それに向けた取り組みを全力で行っています。

クラウド上の操作ではなく、端末を利用し行われる自動運転・IoT・5Gを活用した様々な技術など幅広い可能性を残す業界です。

既にCPUの世界で得た技術力を活かし発展を続ける礎となるでしょう。

インテル【INTC】の財務分析

直近5年をグラフにしてそれより前のデータがあるとより理解が深まると思われるものはグラフの外で更に5年ほど前まで載せています。

売上高と営業利益等の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
売上高 35,127 43,623 53,999 53,341 52,708 55,870
営業利益 8,639 15,588 17,477 14,638 12,531 15,642

 売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。売上高は緩やかな増加基調にあります。

既に成熟企業の色があり他のIT関連企業ほどでは無いものの、IT関連需要によって確実な成長を見せています。

営業利益と純利益の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益 8,639 15,588 17,477 14,638 12,531 15,642
純利益 4,369 11,464 12,942 11,005 9,620 11,704

営業利益は増加を続けていましたが新たな製品の生産開始に伴うコストや同業者である、アドバンスト・マイクロ・デバイス【AMD】などとの競争も激化し2019年は減益となりました。

営業利益率と純利益率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益率 24.59% 35.73% 32.37% 27.44% 23.77% 28.00%
純利益率 12.44% 26.28% 23.97% 20.63% 18.25% 20.95%

営業利益率は元々20%を安定して超えられる高水準でしたが、近年は30%前後で推移するなど一段と利益率を高めています。

BPS・EPS・SPSの推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
EPS 2.33 2.12 1.99 4.48 4.71

過去のデータ

2009 2010 2011 2012 2013 2014
EPS 0.77 2.01 2.39 2.13 1.89 2.31

 順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

緩やかに上下しながらも確実に成長を続けています。

貸借対照表

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

上記のような基準で見ると流動比率は良好で短期債務を流動資産で返済できるような状態です。

キャッシュフローの推移

2012 2013 2014
営業CF 18,884 20,776 20,418
フリーCF 7,160 12,789 8,996

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

営業キャッシュフローは年々成長を続けていますが、フリーキャッシュフローは横ばいと付いてこれていません。新規開発した製品が徐々に効率的に生産販売をできるようになれば費用を削減する事で上向くと思われます。

とは言っても、決して低い水準ではなく特に問題はない数字であると考えられます。

ROE・自己資本比率・営業キャッシュフローマージンの推移

 こちらは経営の効率性を示すROE、健全性を示すROE、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

 自己資本比率はその名の通り総資産に占める自己資本の割合で計算されます。56%と非常に高水準であり、貸借対照表でも見たように負債の水準に関して大きな問題は無いように見られます。

 営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

15%を超えていれば良好と言える中で少しずつ伸びてきており、直近では46%と非常に高い数字を出しています。売上がキャッシュフローの獲得に結びついてる事の現れです。

設備投資額と研究開発費の推移

設備投資の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資が何を目的にしているかは見極める必要があります。

5G、IoTなど次世代の技術に向けた半導体需要に応え、その市場で勝ち抜くべく大きな投資を行っています。実際に売上高は伸び続けており、これらの投資が功をなしていると言えるでしょう。

日々進化を続ける半導体分野でも他社に追い抜かれず優位性を保てるように様々な分野で投資を重ねています。

インテル【INTC】の株主還元(配当と配当性向・増配率)

配当と配当性向・増配率の推移

 配当金と配当性向の推移を記載しています。2014年に増配をしませんでしたが、その後はある程度の増配を続けており、配当性向も低く安定した配当が今後も株主に支払われると見られます。

発行済み株式数の推移

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

配当と共に自社株買いを大きな規模で行っています。2020年3月に新型コロナウイルスの影響を受けて、自社株買いの停止を発表しましたが、8月にはいち早くその再開を決めるなど株主還元にはかなり積極的です。

まとめ

パソコンに搭載されるCPUの世界的なメーカーでありながらも、株式市場からは非常に割安で放置されている投資珍妙がある銘柄だと思います。

配当や自社株買いなど株主還元にも積極的で、事業内容も決して「過去の企業」との評価をされるものでは無く着実に成長を続けています。

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