IBM【IBM】の銘柄分析と今後 株価・永遠の不発弾と呼ばれる過去の業界覇者

IBM【IBM】の基本情報と歴史

かつてITの巨人と呼ばれており、コンピュータ創世記における業界の覇者であったIT関連サービス大手です。では、現在はどうなのかと言いますとOSではMicrosoft、クラウドではMicrosoftとAmazonの後塵を拝しクラウド主体の企業に代わるため経営改善を続けています。

世界170カ国以上で大型のシステム開発案件を手掛けています。しかし、長期にわたり大きな成果を出せず毎期減収を披露する銘柄になってしまいました。ウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが一度投資をしたものの業を煮やし数年内にすべて売却をしてしまし、本人も「IBMに投資をしたことは間違いだった」と語りその後もことあるごとに投資の失敗としてIBMを例に挙げるほどです。

IBMのクラウドサービスは確かにlaaSの分野ではAmazonのAWSやMicrosoftのAzureの後塵を拝していますがそれでも世界5位、SaaSの分野では世界3位とlaaS以外の事業では非常に安定した事業を展開しています。また、ITサービス売上高では首位世界シェアの6%を持っています。人工知能WatsonなどAIの分野でも強く現在も続く高配当の連続増配株です。成長への期待が薄れていることにより永遠の不発弾なんて言われてしまっていますが…。

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 26年
S&P格付け A
従業員数 352600人
創業年 1911年
上場年 1915年
決算 12月

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IBM【IBM】の株価推移

TradingView提供のIBMチャート


他の既存事業による減収を中核となるITコンサルやクラウド事業の収益で補い、やっと減収に歯止めがかかる見通しとされています。株価は2014年に200ドルを超えましたがその後伸び悩み130~150ドル台を推移するなど低迷が激しいです。2020年に入り、NASDAQ上場銘柄を中心にIT株がS&P500をアウトパフォームしていく中で更に株価は低迷し120ドル台で推移するなど非常に厳しいと言えるでしょう。2019年7月にレッドハットを買収し、2020年10月にはITサービス部門を分社しクラウド事業に専念することを発表しました。特にITサービス部門の分社は短期的には良いニュースと市場から受け止められましたが、これが長期的にいい影響を与え再び成長路線に回帰することができるかどうかがカギです。

クラウドやAIによって再びIBMは成長企業になることができるでしょうか。

事業そのものはやはり長年ITの覇者であったノウハウが残り現在の対法人営業にも強く事業は底堅いです。

PERとPBR・配当利回りの推移

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
PER 12.55 13.48 10.25 13.41 25.01
PBR 8.68 13.39 9.32 8.6 8.04
配当利回り 2.22 2.86 3.64 3.15 3.87
2018年 2019年 2020年
PER 11.94 12.69 20.2
PBR 6.04 5.71 5.46
配当利回り 4.69 5.05 5.12

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

非常に割安のまま放置されているのが一眼でわかります。Appleもかつては万年割安株などと呼ばれていましたが、見事に成長企業へと変貌を遂げました。

IBMが真の万年割安株にならない事を願う限りです。その成否はクラウド事業が握っていると言っても過言ではありません。

IBM【IBM】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。ITコンサル等のサービス事業に転換して1990年代の不調から立ち直りましたが、再びIBMは進歩に乗り遅れました。しかし、クラウド事業は年々規模を拡大しつつありこれらの事業の中では大幅な成長を遂げています。

復活の兆しは少しながら見えています。

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国・地域別売上高比率

その企業の売上高が地球上のどこで生み出されたものなのかを表しています。

世界中でビジネスを行っているだけに各国でバランスが取れています。

事業構造の転換

IBMは1990年代にも主力であったメインフレームが過去の遺物と化した事から停滞し、IBMは1993年1月13日に発表した1992年決算で49億7000万ドルの損失を発表した。これは当時の単年度の単一企業による損失額としてはアメリカ史上最悪とまで言われました。

その後、ハードウェア中心の事業からコンサル、ソフトウェアなどを中心とする業態に転換し様々なハード関連事業を売却してきました。

主なものとしては以下になります。

1998年回線プロバイダー事業をAT&Tに売却

2003年ハードディスク駆動事業の日立製作所への売却

2005年パソコン事業をLenovoに売却

2007年デジタル印刷事業をリコーに売却

2012年POS事業を東芝テックに売却

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こうして、IBMは業績を回復しました。そして、2010年代に再びクラウド事業への乗り遅れから過去の企業と呼ばれ始めています。

1990年代のように復活できるかどうかの鍵を握るのは従来のAIやクラウドなど将来性ある事業でありこれらが生み出す業績がIBMの命運を左右するでしょう。

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IBM【IBM】の業績データ

売上高と営業利益等の推移

グラフA 売上高と利益

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高 95,758 99,870 106,916 104,507 99,751 92,793 81,742 79,920 79,139
営業利益 18,673 18,149 20,286 21,568 19,756 18,866 15,921 13,192 11,855
純利益 13,425 14,833 15,855 16,604 16,483 12,022 13,190 11,872 5,753
2018年 2019年 2020年
売上高 79,590 77,147 73,621
営業利益 13,285 10,631 6,895
純利益 8,728 9,431 5,590

 売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。

売上高と営業利益は共に減少しています。事業の転換を急いでいる最中ですが、それが実を結び現在の投資家が将来報われることを願います。

売上高と同じようにあまり良く無い数字となっています。

営業利益率と純利益率の推移

グラフC 営業利益率と純利益率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業利益率 19.50% 18.17% 18.97% 20.64% 19.81% 20.33% 19.48% 16.51% 14.98%
純利益率 14.02% 14.85% 14.83% 15.89% 16.52% 12.96% 16.14% 14.85% 7.27%
2017年 2018年 2019年 2020年
営業利益率 16.69% 13.78% 9.37%
純利益率 10.97% 12.22% 7.59%

営業利益率などは下がり基調ではあるものの元々さほど酷い数値ではありません。しかし、同業者と比較するとかなり低い数字となります。

利益率の高いクラウド事業が今後どれだけ拡大するかにかかっていそうです。

営業利益率・純利益率・売上高成長率の推移

グラフD 成長率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上高成長率 4.29% 7.06% -2.25% -4.55% -6.98% -11.91% -2.23% -0.98%
営業利益成長率 -2.81% 11.77% 6.32% -8.40% -4.50% -15.61% -17.14% -10.13%
純利益成長率 10.49% 6.89% 4.72% -0.73% -27.06% 9.72% -9.99% -51.54%
2018年 2019年 2020年
売上高成長率 0.57% -3.07% -4.57%
営業利益成長率 12.06% -19.98% -35.14%
純利益成長率 51.71% 8.05% -40.73%
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1株の価値(BPS・EPS・SPS・CFPS)の推移

グラフE 1株の価値

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
BPS 18.77 19.16 16.88 18.85 14.39 13.77 17.98 21.28
EPS 10.01 11.52 13.06 14.37 14.94 11.9 13.42 12.38 6.14
2018年 2019年 2020年
BPS 22.17 20.24 23.76
EPS 9.52 10.56 6.23

グラフE2 1株当たりの売上高

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりの売上高(SPS) 77.60 88.07 90.48 90.44 91.87 83.16 83.34 84.46
2018年 2019年 2020年
1株当たりの売上高(SPS) 86.89 86.39 82.07

グラフE3 EPSと1株当たりフリーCFの比較

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
1株当たりフリーCF(CFPS) 11.50 12.50 12.87 12.10 12.56 13.08 13.36 13.82
2018年 2019年 2020年
1株当たりフリーCF(CFPS) 12.32 13.28 16.69

順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)CFPS(1株あたりフリーキャッシュフロー)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

CFPSは会計上の利益では無くフリーキャッシュフローの面から数字を出します。基本的にEPSと一致しますが、会計処理の方法が変わったり「純利益は減少したがフリーCFは増加した」場合などにより正確な情報を読み取る事ができます。

株主還元の所で解説しますが、IT関連企業の中ではかなり自社株買いに積極的な方でその成果として一株あたりの指標は特に大きく悪いと感じる要素がありません。

キャッシュフローの推移

グラフH キャッシュフロー

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業CF 19,586 17,485 16,868 17,008 16,958 16,724
投資CF -9,004 -7,326 -3,001 -8,159 -10,976 -7,096
財務CF -9,883 -9,883 -15,452 -9,166 -5,791 -6,418
フリーCF 14,869 13,345 12,685 12,857 12,808 12,951
2018年 2019年 2020年
営業CF 15,247 14,770 18,197
投資CF -4,913 -26,936 -3,028
財務CF -10,469 9,042 -9,721
フリーCF 11,283 11,863 14,967

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

ここでは主に営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローを紹介します。投資や財務コストに関しては設備投資やインスタント・カバレッジ・レシオを参照ください。

キャッシュフローはどれも元々かなり良好な部類で停滞する中でも自社株買いや増配といった手厚い株主還元を続けているその源泉と言えるでしょう。

グラフS キャッシュフロー比率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
営業キャッシュフロー成長率 -5.89 1.52 -1.31 -10.73 -3.53 0.83 -0.29 -1.38
フリー・キャッシュ・フロー成長率 -11.39 2.6 -2.04 -10.25 -4.95 1.36 -0.38 1.12
売上高に対する投資の規模 4.76 4.37 4.51 4.15 4.51 5.08 5.19 4.77
2018年 2019年 2020年
営業キャッシュフロー成長率 -8.83 -3.13 23.2
フリー・キャッシュ・フロー成長率 -12.88 5.14 26.17
売上高に対する投資の規模 4.98 3.77 4.39

営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローの成長率と売上高に対する投資の規模を示しています。

投資がどれだけ売上高に結びついているかを知ることができます。

IBM【IBM】の株主還元の推移

配当金・配当性向・増配率の推移

グラフF 配当と配当性向・増配率

2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
配当 2.15 2.5 2.9 3.3 3.7 4.25 5 5.5 5.9
配当性向(%) 21.48% 21.70% 22.21% 22.96% 24.77% 35.71% 37.26% 44.43% 96.09%
増配率 16% 16% 14% 12% 15% 18% 10% 7%
2018年 2019年 2020年
配当 6.21 6.43 6.51
配当性向(%) 65.23% 60.89% 104.49%
増配率 5% 4% 1%

 配当金と配当性向の推移を記載しています。

なんと、減収減益でありながらも25年に渡り増配を続けています。それで配当性向も61%とまだ余裕があります。しかし、同業者で配当を出している企業の中では高めであり近年の増配率が下がっている事を考えると経営陣も将来的な厳しさを感じているものと思います。

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発行済み株式数の推移

グラフL 発行済み株式数

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
発行済み株式数(百万) 1,287 1,214 1,155 1,103 1,010 983 959 937
2018年 2019年 2020年
発行済み株式数(百万) 916 893 897

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

従来から非常に積極的な自社株買いを行っていて、これは確実にEPSなどの向上に役立っており株主価値を高める事に貢献しています。

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IBM【IBM】の財務諸表と財務データ

貸借対照表

グラフO・P 貸借対照表

2010~2017

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
現金・短期投資 10.27 10.24 9.34 8.77 7.21 7.42 7.26 10.04
売掛金・売掛債権 24.88 25.39 25.65 25.22 27.08 25.84 24.9 25.23
棚卸資産 2.16 2.23 1.92 1.83 1.79 1.4 1.32 1.26
その他の流動資産 5.1 5.88 4.56 4.86 5.97 3.81 3.88 3.14
有形固定資産 12.42 11.92 11.74 10.95 9.17 9.71 9.22 8.87
無形固定資産 25.23 25.43 27.71 27.77 28.64 32.13 34.81 32.33
その他の長期資産 19.93 18.91 19.09 20.6 20.15 19.69 18.61 19.13
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
買掛金 6.89 7.32 6.68 5.92 5.85 5.46 5.29 5.15
短期借入金 5.98 7.27 7.71 5.44 4.88 5.86 6.4 5.58
未払税金 3.72 2.85 4.15 3.67 4.33 2.58 2.76 3.37
未払負債 4.55 8.28 4.07 3.77 5.12 3.95 4.01 3.6
その他の短期負債 14.66 10.48 14.02 13.05 13.55 13.21 12.46 12.14
長期借入金 19.28 19.65 20.23 26.06 29.88 30.3 29.54 31.81
その他の長期負債 24.59 26.83 27.3 24.02 26.28 25.72 23.99 24.3

2018~

2018年 2019年 2020年
現金・短期投資 9.72 5.83 8.86
売掛金・売掛債権 24.77 15.64 12.01
棚卸資産 1.36 1.06 1.18
その他の流動資産 3.97 2.72 3.06
有形固定資産 8.75 9.86 9.44
無形固定資産 31.9 48.27 47.07
その他の長期資産 19.53 16.63 18.38
2018年 2019年 2020年
買掛金 5.32 3.22 3.15
短期借入金 8.28 5.79 4.61
未払税金 2.47 1.87 2.12
未払負債 3.2 2.87 4.39
その他の短期負債 11.74 11.06 11.31
長期借入金 28.89 35.58 34.88
その他の長期負債 26.47 25.91 26.32

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の各項目を構成比率で表しています。企業の大まかな財務状況の推移が一目でわかります。

それぞれが貸方(総資産)、借方(負債と純資産)を表します。

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

レッドハットの買収を行ったこともあり、負債が増えています。懸念といえばこれに尽きると思いますが、分社後のIBMの評価はこの負債分担もかなりの影響を及ぼすことでしょう。

 

グラフR 損益計算書(費用と利益)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上原価 53.93 53.11 51.87 51.37 49.99 50.23 52.08 54.22
売上総利益 46.07 46.89 48.13 48.63 50.01 49.77 47.92 45.78
販売費及び一般管理費 21.57 21.72 22.17 23.03 24.22 24.34 25.62 24.71
研究開発費 6.03 5.85 6.03 6.24 5.86 6.42 7.2 7.31
その他 0.29 0.35 -0.71 -0.45 -0.4 -0.46 -1.41 -1.23
営業利益 18.17 18.97 20.64 19.81 20.33 19.48 16.51 14.98
資産運用利益 1.58 0.67 0.32 -0.23 1.21 0.03 -1.08 -0.57
2018年 2019年 2020年
売上原価 53.59 52.7 51.68
売上総利益 46.41 47.3 48.32
販売費及び一般管理費 23.7 25.61 29.68
研究開発費 6.76 7.76 8.6
その他 -0.74 0.15 0.68
営業利益 16.69 13.78 9.37
資産運用利益 -2.44 -0.6 -3.07

業績の蘭で紹介済みの収益に対応した損益計算書の費用項目と残った利益を表記しています。

財務状態と健全性

グラフG 財務データ

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
有利子負債比率(%) 25.26 26.92 27.94 31.5 34.76 36.16 35.94 37.39
自己資本比率(%) 20.34 17.31 15.84 18.08 10.11 12.93 15.55 14.05
2018年 2019年 2020年
有利子負債比率(%) 37.17 41.37 39.49
自己資本比率(%) 13.63 13.71 13.22

ここでは、有利子負債比率・自己資本比率を紹介します。この自己資本比率と有利子負債比率は企業の健全性を大きく表しているので注目しましょう。

グラフQ 財務比率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
流動比率 1.19 1.21 1.13 1.28 1.24 1.24 1.21 1.33
当座比率 0.98 0.98 0.95 1.07 1.02 1.07 1.04 1.18
財務レバレッジ 4.92 5.78 6.32 5.54 9.9 7.75 6.44 7.12
負債比率 0.95 1.14 1.28 1.44 2.96 2.34 1.9 2.26
2018年 2019年 2020年
流動比率 1.29 1.02 0.98
当座比率 1.11 0.87 0.82
財務レバレッジ 7.35 7.3 7.57
負債比率 2.12 2.78 2.81

流動比率、当座比率、財務レバレッジ、負債比率を示しています。

流動比率は流動負債に対する流動資産の割合で計算され、短期的な支払い能力を示しています。当座比率は、流動資産の中で「現金預金」「受取手形」「売掛金」などの現金化しやすい資産だけで計算される、流動比率よりも厳しい基準で見た短期的支払い能力の指標です。

財務レバレッジ銀行借入や社債発行などを活用して自己資本を梃子(レバレッジ)にどれだけ負債を活用しているかを示しています。後述される自己資本比率の逆数関係にあり、負債をどのくらい有効活用しているかを表すため、この倍率が高くなると、負債増加によるリスクが顕在化するため注意する必要があります。

 

設備投資額と研究開発費・減価償却費の推移

グラフJ 事業投資

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
設備投資 3,852 3,962 3,809 3,812 3,408
減価償却費 4,699 4,616 3,765 4,058 4,311
研究開発費 6,226 5,437 5,247 5,751 5,787
2018年 2019年 2020年
設備投資 3,723 2,815 3,059
減価償却費 4,465 5,450 5,922
研究開発費 5,379 5,936 6,333

設備投資や研究開発費・減価償却費の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資や研究開発費が何を目的にしているかは見極める必要があります。

これらにより企業がどのように投資を行っているかを知る事ができます。

設備投資や研究開発費の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資や研究開発費が何を目的にしているかは見極める必要があります。

世界有数のAI開発に取り組んでいる企業であり、特許数ではトップクラスです。研究開発費た設備投資は一定以上の成果を出しているのでしょう。これが業績に結びつく時を待ちましょう。

ROE・ROA・営業キャッシュフローマージンの推移

グラフI 経営の効率性

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
ROE(自己資本利益率) 64.94 73.43 85.15 79.15 69.37 100.96 73.04 32.1
ROA(総資産利益率) 13.33 13.79 14.09 13.43 9.86 11.57 10.42 4.74
営業CFM 19.57% 18.56% 18.74% 17.53% 18.18% 20.81% 21.22% 21.13%
2018年 2019年 2020年
ROE(自己資本利益率) 50.76 50.12 26.98
ROA(総資産利益率) 7.02 6.84 3.63
営業CFM 19.16% 19.15% 24.72%

こちらは経営の効率性を示すROEとROA、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

ROAは総資産利益率を表しており、会社が有する資産を活用してどれほどの利益を上げる事ができているかを表しています。

営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

15%を超えていれば良好と言えるものなので停滞してもなお良好なラインを維持し続けているといえます。

グラフI-2 経営の効率性2

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
投資資本利益率(ROIC) 29.96 31.15 32.57 29.24 21.41 25.32 21.6 9.67
インタレスト・カバレッジ・レシオ 54.6 52.1 48.72 49.57 42.29 35.07 20.57 19.54
資産回転率 0.9 0.93 0.89 0.81 0.76 0.71 0.7 0.65
2018年 2019年 2020年
投資資本利益率(ROIC) 14.3 13.66 7.33
インタレスト・カバレッジ・レシオ 16.69 8.56 4.6
資産回転率 0.64 0.56 0.48

こちらでは投下資本利益率(ROIC)、インスタント・カバレッジ・レシオ、資産回転率の推移を示すグラフを掲載しています。

投下資本利益率は自己資本や有利子負債も含めた事業活動のために行われた投資がどれだけの利益を生み出したかを数字にしています。

インスタント・カバレッジ・レシオは、会社が営業活動により生み出す利益(基本的に営業利益)と金融収益(受取利息と受取配当金が主に該当)が、毎年の支払利息をどの程度上回っているかを示しており、 企業の財務健全性を示す数値であり、この数値が高いほど金利の支払いなどに関して財務的に余裕があります。反対に比率が低いと営業収益のうち多くの割合が支払利息に当てられる形で負債元本が減らず、財務上厳しい状態にあります。

総資産回転率は企業の資産が効率的に売上に結びついていることを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。

財務効率と回転率等

ここでは財務効率などに関連した数値を解説していきます。

グラフU 財務効率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売掛金回収期間 43.58 42.04 40.74 38.66 38.46 38.9 40 41.76
在庫日数 16.75 16.22 16.44 16.37 17.36 16.24 13.61 13.34
回収期間 51.64 52.46 55.44 54.89 56.36 57.31 53.65 53.84
現金循環日数 8.69 5.79 1.73 0.14 -0.54 -2.16 -0.05 1.26
2018年 2019年 2020年
売掛金回収期間 37.51 36.2 37.19
在庫日数 13.97 14.82 16.59
回収期間 55.66 51.41 47.03
現金循環日数 -4.18 -0.4 6.75

ここでは、売掛金回収期間と在庫日数、回収期間、現金循環日数を紹介していきます。

売掛金回収期間は売掛金がどれくらいの期間をかけて回収されているかを日数で表しており、その日数が短いほど現金化までにかかる期間が短く資金を効率的に活用できていることになります。

在庫日数は在庫として滞留している日数を表しています。在庫として保有している商品の総数が売上の何日分と言い換えることも出来、この日数が少ないほど在庫量は適正な数にコントロールできていると考える事ができます。

回収期間は投資金額が投資によって生まれるキャッシュフローで計算して何年で回収することが出来ているかを表します。設備投資に関する収益性計算には様々な方法が存在しますが回収期間を指標とした場合、この期間が短いほど安全に効率的な投資ができていると考える事ができます。

現金循環日数は「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」とも言われ、企業が商品を仕入れるために支出を行なってから売上及び売上債権の回収によって現金を得るまでの期間を指します。この日数が長いほど、手元の現金が減っている期間が長い事になり資金繰りの懸念が現れるため、経営状態を表す重要な指標とも言えます。

グラフV 財務効率 回転率

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
売上債権回転率 8.38 8.68 8.96 9.44 9.49 9.38 9.13 8.74
棚卸資産回転率 21.79 22.51 22.21 22.3 21.02 22.47 26.82 27.36
固定資産回転率 7.07 7.64 7.5 7.17 7.55 7.61 7.42 7.21
 資産回転率 0.9 0.93 0.89 0.81 0.76 0.71 0.7 0.65
2018年 2019年 2020年
売上債権回転率 9.73 10.08 9.81
棚卸資産回転率 26.13 24.63 22
固定資産回転率 7.27 5.98 4.95
 資産回転率 0.64 0.56 0.48

ここでは、回転率を中心に解説します。売上債権回転率、棚卸資産回転率 固定資産回転率 資産回転率を紹介しています。

売上債権回転率は会社が有する売上債権の回収がどのくらいの期間で行われているかを示す指標で、この数字が低いほど債券の回収に時間がかかっており、資金の効率的な活用が妨げられている事になります。

棚卸資産回転率は在庫回転率と言われることもあり、仕入から売上に至るまでの在庫期間によって適切な在庫量などの判断をするための指標であり、在庫を減らしている会社はこの比率が高くなります。在庫回転率が低いと言う事は顧客に販売される事なく在庫として保持する数が多く、管理コストや廃棄リスクを負っていることになります。

固定資産回転率は保有する固定資産が効率的に活用されているかを示しています。この比率が低い場合は保有する固定資産が有効に活用されることなく滞留している疑いがあり、固定資産への投資が過剰である可能性があります。

総資産回転率は企業の資産がどれだけ効率的に売上に結びついているかを表す指標であり、企業の総資産が1年に何回売上高という形で回転したのかを示しています。売上高が総資産の何倍あるかを見ることでその売上に貢献した企業の総資産がどれほど効率的に活用されているかを測ります。(「グラフI-2 経営の効率性2」で解説済みです)

まとめ

laaSの世界では遅れをとっていますが、AIやSaaSの分野などでは今も有力な企業であります。

固有の強みを今も有する世界有数の企業であり、株主還元にも積極的で株価は割安であるため復活の兆しを見せる時が来た時にはIBMの投資家は大きな利益を得る可能性があります。

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