原油価格が遂にマイナスに突入したことによる意味や影響

原油価格(WTI)がマイナス????

ここ最近、コロナウイルスと同じかそれ以上に市場を騒がせていた原油価格が1983年の先物上場以来初めて遂に4月20日の取引でマイナスになりました。

1日を通して原油価格は下がり基調でしたが、米国時間の午後に入ってから10ドルを割り、その後は10分おきに1ドルの下落、2時を過ぎたあたりに急落し一気にマイナス40ドルに達し最終的にマイナス37.63ドルで取引を終えました。

原油先物(WTI)とは?

ウェスト・テキサス・インターミディエイト(英語: West Texas Intermediate, WTI)とは、アメリカ合衆国南部のテキサス州とニューメキシコ州を中心に産出される原油の総称であり、1つの油田原油を表すものではない。ウェスト・テキサス・インターメディエイトとも。アメリカ国内で産出される原油の6%・世界で産出される原油の1~2%ほどを占める。硫黄分が少ないため、ガソリンや石油製品の製造に適したAPI39.6度(比重0.827)の軽質油である。

Wikipedia ウェスト・テキサス・インターミディエイト より

要するに余分な成分とされる硫黄が少ないなどガソリンに向いた良質な原油ということです。

WTI価格はこの先物市場での取引価格で決まり、その価格の動きは世界の原油価格の中で最も影響力の大きな指標となっています。WTIの1日あたり産出量は100万バレルに満たないのに対し、1日あたりのWTI先物の出来高はおよそ100倍である1億バレルを超えており、この取引量・参加者数・市場の透明性から世界の原油市場のみならずあらゆる市場に大きな影響を及ぼしています。ドバイ産原油もこのWTIの値動きに大きく左右されます。(特に値上がり時)

原油価格がマイナスになった理由

これは史上初です。しかし、こうなる理由などはあまり知られていない面があるのですこし解説したいと思います。

こうなった理由を説明する前にまず、マイナスになったのはニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されているWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)というアメリカのテキサスやニューヨーク地方産出の原油の5月受渡の原油先物であることを把握しておきましょう。

そして、この5月受渡の原油先物は今日が最終取引日だったのです。原油を受け取る権利を売買する原油先物ですが、受渡を行うのがアメリカオクラホマ州のクラッシングという小さな町にある備蓄基地です。

そこがここ最近のコロナウイルス騒動で外出自粛や航空機の停止により急激にガソリン需要が減った(というか誰も使ってないに等しい)原油で溢れかえり、貯蔵能力が限界に近づくとともに保管料が急騰したため現物の引き渡しを行った後に現物を引き取りたくない投資家を中心に保管先が見つからないことや、保管料の懸念から最終取引日の後半にして投げ売りが行われたわけです。

結果的にマイナスで終わったので原油現物の引き渡しで現金も受け取れるというよくわからない事態になりました。

サウジアラビアとロシアの対立から始まった原油の供給過多を解決する減産も後手に回るなど、先数か月はこれに近い状態が続くことも考えられます。

今回の影響

今回の暴落だけでエネルギー関連企業の存続にかかわるとの見方は少なく、これによる直接の被害はありませんが、長引くと売値が下がる事(%で利益を得ているため)により石油業界が打撃を受け(本来原油価格が30~40ドルあたりでないと採算が取れない)、シェールガス系の企業が経営破綻することが多発し為替や株式市場に飛び火する可能性は十分にあります。

日本が使っている石油はアメリカというよりは中東(ドバイ)の方なので影響は限定的と見られます。

原油関連のニュースからますます目が離せなくなりつつあります。

 

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