米国時間4月7日の米国株式市場は、値を下げて1日を終えました。初めに急上昇をした後は下がり気味になり前日比で以下の通りとなりました。
S&P 500 -4.27ポイント -0.116%
ダウ平均株価:-26.13ドル -0.12%
ナスダック総合指数 -25.98ポイント -0.33%
最近の株価は同じく危機的な原油市場の環境もあり荒い値動きをしており、その予測は極めて困難なものとなっています。市場関係者の見解大きく分けると「既に底打ちした」といった見解と「今後の経済指標で二番底を試す」といった2つの見解があります。
実際にNY州を中心としたアメリカの感染者数や死亡者数は減少の兆しが見えており、経済活動も4~5月には再開するとの見通しがあります。
米国では現在人口の8割ほどをカバーする30州でロックダウンが行われており、経済活動は生活必需品の店をのぞいて停止しているも同然の状態であり、1日1日が経済にとっては戦いとなっています。
以下のグラフで示している最初にロックダウンを実施したNY州における感染者数と死亡者数が米国経済全体の先行きを占う先行指標と同じような扱いを受けています。
3月22日 | 3月23日 | 3月24日 | 3月25日 | 3月26日 | 3月27日 | 3月28日 | 3月29日 | 3月30日 | 3月31日 |
10356 | 15168 | 20875 | 25665 | 30811 | 37258 | 44635 | 52318 | 59513 | 66497 |
4月1日 | 4月2日 | 4月3日 | 4月4日 | 4月5日 | 4月6日 | 4月7日 |
75795 | 83712 | 92381 | 102863 | 113704 | 122031 | 138836 |
しかし、イエレン前FRB議長は「失業率は現状で12~13%とみられ、さらに上昇するだろう」とJPモルガン・チェースのダイモンCEOも「深刻な景気後退の恐れがある」と慎重な姿勢を維持しており、今後の感染者数といった経済とは別のデータによる状況になっています。
コロナウイルスのワクチンに関してもジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)がエボラウイルスのワクチン技術を応用した形で開発をはじめ、9月に臨床試験、来年初めにも使用できる状態になることを目指すと発表しました。その日の株価は8%高でした。この、新しいコロナウイルスワクチンの開発と並行してワクチンの生産能力を10億本以上まで引き上げることを目指し厚生省の生物医学先端研究開発局と共同で10億ドル以上を投資しました。2021年初頭までに当局から緊急使用許可を取得することを目標として、9月まで臨床試験を開始する予定です。その後はワクチンの製造能力を増強し、それが効果的であると判明した場合、10億回分以上の生産を目指しています。
[adsense]このようにコロナウイルスに対する動向がそのまま個別株にとどまらず、市場全体を左右しています。
相場の底は誰にも判断することはできませんが、下がったこの時にも投資を続けていくことが大切だと思います。毎月の雇用統計やGDPが今まで以上に大きな影響を与えることになってくるでしょう。