アマゾン・ドットコム【AMZN】の株価・銘柄分析と今後 あらゆるサービスを展開するEC最大手

アマゾン・ドットコム【AMZN】の基本情報と歴史

アマゾン・ドットコム「Amazon.com」は、ワシントン州シアトルに本社を置くアメリカのIT企業です。近年急速に成長しGAFA、FANG、FAAMGの一角に数えられています。

1994年に30歳で創業者であるジェフ・ベゾス現CEOが1994年7月5日、ベゾスは「Cadabra, Inc.」という名の会社を設立したのが始まりです。この考えの裏には当時のインターネット・バブルにすぐ加わらないことで将来公開するのを避けようとした「後悔の最小化フレームワーク」という考え方があるそうです。チャレンジ精神の賜物ですね。

 その後、アルファベット順に並べたときに「A」から始まり、また世界最大の河川であるAmazonを名称とすることにしました。ベゾスの計画は自らのオンラインストアを世界最大の焦点することとだったのです。

ジェフ・ベゾスが起業する際になぜEC、そして書籍を販売するに至った考えはこのようです。

電子商取引の年間成長率を2,300パーセントと予測する、あるインターネットの将来についてのレポートを読んだあと、ベゾスはオンラインで販売できる20種類の商品のリストを作った。次にベゾスは、このリストからもっとも有望と思われる5種類の商品を絞り込んだ。それらの商品は、コンパクトディスク、コンピュータハードウェア、コンピュータソフトウェア、ビデオ、そして書籍だった。最終的に、文学への大きな世界的需要、書籍は低価格であること、膨大なタイトルが出版されていることなどを考慮し、ベゾスは自身の事業をオンライン書店とすることを決めた[33]。Amazon創業の地は、ベゾスが借りていたワシントン州ベルビューの自宅ガレージとされている[32][34][35]

Wikipediaより引用

今となってみれば、先見の明がすごいとしか言いようがないですね。

Amazonはゆっくりと成長をしていきましたが、その間株主は何度も不満の声を上げてきました。もっと早く採算性を確保しなければ株主の投資を正当化することはできず、長期的に生き残ることはできないだろうと。21世紀初頭に起こったITバブルによって多くのIT企業が倒産に追い込まれたりしましたがAmazonは生き残り2001年に利益を初めて計上しました。1株当たりにすると1セントでしかありませんでしたが、これはジェフ・ベゾスの掲げたビジネスが利益を出せることを示しました。

現在は電子商取引の他にクラウド型サービスであるAWSが利益の成長をけん引しています。幅広い事業を手掛けておりいままでほどでないにしろ、大きな成長が見込まれてます。

元々はオンライン書店として始まりましたが、後にクラウドサービスやストリーミング配信など様々な事業を開始しその規模は現在も拡大を続けています。

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数
S&P格付け AA-
従業員数 798000人
創業年 1994年
上場年 1997年(NASDAQ)
決算 12月

アマゾン・ドットコム【AMZN】の株価推移


2016年以降の株価の伸びが著しいです。初期の赤字時代やインターネットバブルにも耐えて保有し続けた株主は9万%を超えるリターンを得ることができました。

2018年に最高値を記録して以降、伸び悩む時期がありましたが2020年の新型コロナウイルス流行による急激なインターネットコンテンツの需要により株価が再び急上昇を遂げました。

PERとPBRの推移

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

非常に高いPERが今も続いていますが、近年の急激な収益拡大に伴いそのPERは下がってきています。初期に株式を購入した投資家は当時のとんでもなく高かったPERがまさに正当化されつつあると言えるでしょう。

このように、将来の収益に対して割安かどうかで見ると急激な成長を遂げた事で遠く無いうちにその割高なPERが正当化され得る余地は十分にあります。

の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。半分がオンライン小売事業ですが、営業利益の多くはAWSによって得られています。オンライン小売によって得られる知名度と顧客層・経済圏を活用し。サブスクリプションやAWSと言った高収益事業に活かすモデルで急成長を遂げました。

国・地域別売上高比率

その企業の売上高が地球上のどこで生み出されたものなのかを表しています。アメリカ国内が大半を占めているのは予想が難しくありませんが、日本が4番目に大きな市場となっています。

日本でもAmazonは通販として非常に多くの人に活用されている他、クラウドサービス「AWS」も政府機関含めた様々な場面で活用されています。

ネット通販事業

Amazonの祖業でもあるネット通販は配送センターを拡大し続け、「Amazonで買えないものは無い」と言えるところを目指しています。

米国内のEコマース市場の半数を占めていると言われ、その規模は圧倒的です。

配送センター内は無数の棚と合理的に並べられた機材があり配送を行っています。選別の過程で従業員を多く使っているため、ここをAIなどに変える事ができる時代が来れば人件費を抑えられることにより、更に利益率を向上させる可能性があります。

労働環境に関して問題や懸念も出ており良くも悪くも注目すべきでしょう。

また、通販そのものの低い利益率をプライム会員制度によって補っておりプライムビデオなども非常に多くの顧客を集めたコンテンツとなっています。有料会員はよりAmazonのサービスを利用すると考えられるため、顧客の定着に非常に有効な役割を果たしています。

アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)

アマゾンのクラウドサービスであるAWSは好調で大きな収益源になっています。
2019年度の売上は年率37%増、営業利益は29%増となっています。

Amazonが行う事業の中では極めて利益率の高い事業でありこのままでも期待が高い事業です。

アマゾン・ドットコム【AMZN】の財務分析

直近5年をグラフにしてそれより前のデータがあるとより理解が深まると思われるものはグラフの外で更に5年ほど前まで載せています。

売上高と営業利益等の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
売上高 24,509 34,204 48,077 61,093 74,452 88,988
営業利益 1,180 1,406 862 676 745 178

 売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。

5年間のデータだけでも急上昇しているのがわかりますが、その外の2009年以降を見ると近年の急成長ぶりが分かります。まさに企業の規模を急拡大し続けている形です。売上高は5年で3倍近くに、10年で約11倍に達しています。このように過去のデータを参照するとこの数年の急成長がさらにわかります。

2019年は以前よりも成長が鈍化したものの、それでも2ケタ成長を続けておりクラウド事業がそれを加速させています。

100倍を超えるPERもこの急成長及び将来Amazonが築き上げる地位を考えると、現在は割高に見えても将来的に正当化される可能性があります。

営業利益と純利益の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益 1,180 1,406 862 676 745 178
純利益 902 1,152 631 -39 274 -241

売上高の拡大に伴い営業利益も大きくなっています。利益率の高いクラウドサービス(AWS)やストリーミング配信事業が拡大して以降営業利益がさらに大きくなっています。純利益・営業利益共に10年で10倍を超えるという驚異的な数字です。

営業利益率と純利益率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益率 4.81% 4.11% 1.79% 1.11% 1.00% 0.20%
純利益率 3.68% 3.37% 1.31% -0.06% 0.37% -0.27%

ネット通販事業の利益率はああまり大きくないため、利益率としては低めです。規模を急拡大しつつある現状から、AWS等の新たな事業による高利益率家が着々と進んでいます。

BPS・EPS・SPSの推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
EPS 1.25 4.9 6.15 20.14 23.01

過去のEPS

2009 2010 2011 2012 2013 2014
EPS 2.04 2.53 1.37 -0.09 0.59 -0.52

順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

2015年以降でとんでもない伸び方をしています。

一株当たりに直してもこの急成長は非常に大きなものです。

貸借対照表

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

年々規模が大きくなっています。資産と負債は対応して増加していますが、いずれの年も流動比率は良好です。

キャッシュフローの推移

2012 2013 2014
営業CF 4,180 5,475 6,842
フリーCF 2,996 3,221 2,626

営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。

アマゾンは経営においてキャッシュフローを重視しており、株主にとって真の価値を判定できる要素はPERではなくこのキャッシュフローにあると考えています。

フリーキャッシュフローが他の数値よりも急拡大をしており、この規模を拡大し優位性を確率するモデルと将来の株主利益はここから出されるので非常に魅力的なポイントとなるでしょう。

ROE・自己資本比率・営業キャッシュフローマージンの推移

こちらは経営の効率性を示すROE、健全性を示すROE、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

自己資本比率はその名の通り総資産に占める自己資本の割合で計算されます。

営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

ROEと自己資本比率は拡大に伴い上昇しています。フリーキャッシュフローマージンもクラウド事業の成長やITの発展に伴いコスト削減が叶えば営業利益とともに更に上昇する可能性があります。

設備投資額と研究開発費の推移

設備投資の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資が何を目的にしているかは見極める必要があります。

研究開発費もこのように年々増額しており、更なる規模拡大を加速させています。

このようにAmazonは巨額の設備投資と研究開発に関する投資を続けています。クラウド、ネット通販事業など利用客の利便性向上とサービスの向上による利用客の拡大のため常に投資を続けています。

アマゾン・ドットコム【AMZN】の株主還元

配当と配当性向・増配率の推移

 配当金と配当性向の推移を記載しています。

配当は支払っておらず、よって配当性向も0です。事業で得た資金を事業に再投資し驚異的な拡大を続けています。複利の力とも言えるでしょう。

株価の上昇こそ株主への還元との姿勢で事業を拡大しています。

発行済み株式数の推移

発行済み株式数は年々微増しています。自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらすため、増加傾向にあるのはあまり良いとはされませんが、Amazonの場合はこれを上回る成長を遂げており、そのための資金調達が欠かせない事を考えると妥当な事だと思います。

まとめ

急成長を遂げ、世界でも有数の企業に上り詰めたAmazonは今後も大きく躍進すると見られています。

凡ゆる事業に参入し、規模で他を圧倒する。IT化が進む今後の世界でも更に成長を続けるでしょう。

特に初期から長く続いてきた赤字に耐え続けた投資家は今やっと報われていると言えるでしょう。長期投資の成功例の一つだと思います。

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