アップル【AAPL】の株価・銘柄分析と今後 iPhone販売からサービス企業への転身

アップル(Apple)【AAPL】の基本情報と歴史

アップル(Apple)は知らない人はいないといっても過言ではないアメリカのIT企業です。iPhone・Mac・iPad・Applewatchなど一連のコンピューター製品を取り扱っています。Appleの強みは何といってもその製品の製造・販売・機能・サポートまでの全てを行っている点です。OSと製品の相性と言った問題が存在しないのは勿論、デザイン性、サポートまですべてをAppleから受けることができます。近年はiPhoneの販売台数が頭打ちになった中、AppleTVやAppleCard、AppleMUSICといった新サービスを開始し消費者にとってより身近な企業になろうとしています。

また、アップル製品にアプリを追加する際はほぼ必ずと言っていいほど通るAppStoreというプラットフォームを保有しており非常に強い事業基盤を有しています。

スティーブ・ジョブズが創業して以来様々な困難にあたりながらも成長を続けたAppleですが、そこから死後に後を継いだティム・クック現CEOの元で2018年8月に初の時価総額1兆ドル企業になりました。また、ウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイはAppleの第二位の株主でありポートフォリオ中1位の比率を占めています。

ウォーレン・バフェットは世界でも有数のブランド力、事業のキャッシュ生成能力を持ったAppleをハイテク企業ではなく、生活必需品と見做しており「Appleを100%所有したい」と述べるなど、Appleを絶賛しています。

世界でも有数のブランド力、事業のキャッシュ生成能力などバフェットが注目する要素は多くあり5Gなど今後も変わりゆく時代の中で成長がより期待されています。

企業情報(創業年・上場年と市場・従業員数・決算・S&P格付け

増配年数 7年
S&P格付け AA+
従業員数 137000人
創業年 1977
上場年 1980年
決算 9月

アップル(Apple)【AAPL】の株価推移


Appleの株価はこの10年で特に投資家に大きなリターンをもたらしてきました。iPhone販売台数の伸び悩みや米中貿易摩擦が約半分の製品を中国で組み立てているAppleにとって2019年前後は重しとなってきましたが、iPhone11の売れ行きは好調であり、サブスクリプション収益を拡大しつつある事から再び成長企業として株価は大きく上昇しています。

かつてはハードウェア(特にiPhone)の製造会社と考えられており、iPhoneの販売台数が頭打ちになるにつれて「Appleの成長は終わった」との評価を受けていました。そこからサービスとソフトウェアの会社に収益モデルを転換する事で売上高が減少しても利益率を上げ始めており、遂に2020年には時価総額で米国企業初の2兆ドルを達成しました。(世界初はサウジアラムコ)

PERとPBRの推移

PERは「株価収益率」であり、その株式が収益の何倍で取引されているかを表しており一般的には割安か割高かを測る代表的な指標の一つと言われています。

ただし、これは先行きの業績に対する投資家の期待を表している面もあり低PERの株が本来の価値より割安なのではなく、万年割安株となる可能性もある事に留意しましょう。反対に高PERの株が一概に割高と言った訳でもなく、その高いPERは将来の成長によって正当化される可能性があります。(収益が上る=株価収益率は下がる)

また、自社株買いによってEPS(1株あたり利益)が上がることでもPERは低下します。

PBRは「株価純資産倍率」を表し会社が保有する純資産の何倍で株式が取引されているかを表します。1倍を下回れば会社清算時の残余財産分配額を下回る事になるため割安と言えます。

しかし、不人気な業種だったり将来性が乏しいとされる企業は1倍を切ったまま放置される事がある事とその純資産は全てが換金可能とは限らない事に注意しましょう。

これらは、業種別で比較することでより参考になります。

Appleは長くiPhoneの販売台数頭打ちにより、成長企業ではなくハードを売る成熟企業と見られておりPERは20以下で推移していました。中には万年割安株などと言う呼び方もあったほどです。

しかし、近年のAppleTV、Apple MUSICなどの継続課金コンテンツが多くの顧客を集めたことやApple Watch、AirPods、などのアクセサリが多くの売り上げを記録して行った事により新たにサービス企業として成長をしています。

これにより、投資家の期待は高まり2020年10月時点では約35倍のPERで推移しています。

 

アップル(Apple)【AAPL】の企業分析・注目ポイントと今後の事業展開

事業構成

事業の構成比率を表しているグラフです。

アメリカは勿論ですが、世界中でビジネスを行っています。人口比で見ると日本での市場の大きさがどんなものか分かります。日本人の半数近くがiPhoneを使っていると言われており、Appleにとっても非常に大きな市場となっています。

 

iPhone等の販売台数

iPhoneの販売台数は年々増加しており、AppleはiPhoneの買い替え需要を主な収益源としてきました。しかし、近年はiPhoneの販売台数が頭打ちとなっており従来の値上げで売り上げを伸ばすことが難しくなりました。今後はiPhone等のハード型企業からそれらのハードを活用したAppleTVなどソフト・コンテンツ主体の企業に変化することが求められており、その転換が急がれています。

ただ、iPhoneやiPad、Macといった既存のハードのみではなくApplewatch、AirPodspoと言ったアクセサリ系の販売数も大きく更なる成長が見込まれているだけに期待がかかります。

また、5G対応端末の発表も予想されておりこの需要は大きな販売台数を稼ぎ出す可能性を秘めています。

AppleTV・AppleCardなどのサービス事業

上記のような、既にピークを迎えたと見られるハードの販売台数頭打ちをうけて月額課金制サービス「AppleTV」を開始しました。生産からソフト、サービスの提供までを自社ですべてやりきるAppleならではの点でこの新たな事業を開拓しています。

しかし、1年無料の期間を設けたことでゴールドマン・サックスが会計上の利益に重大な悪影響を及ぼすと予告しているなど短期的見通しは不透明です。

面白いのはこの両者はAppleCardで提携している間柄であることです(笑)

また、新たなクレジットカードAppleCardも開始し収益源の開拓に積極的です。

Apple TV+ 1年無料のために株価が26%下落?ゴールドマンにアップルが反論

他にもサービス事業の比率を年々高めてきており、将来的に更なる高利益率企業となる見込みがあります。

米中貿易戦争

Appleは製品の組み立ての大半を台湾に本社を置く鴻海精密工業が請け負っており、中国での生産が主となっています。そのため、米中貿易戦争の影響を大きく受け株価も大きく下落するなど混乱しました。その他の製品も中国で生産されるものが多く関税の影響が避けられないため、Appleのティム・クックCEOはトランプ大統領と上手くやっていくことに力を注いでいることと思います。

最近の米中貿易戦争の楽観的な見通しもあり株価は最高値を更新し、再び時価総額1兆ドルを超えた後にサービス事業の拡大等から急騰し2兆ドルに達しました。

アップル(Apple)【AAPL】の財務分析

直近5年をグラフにしてそれより前のデータがあるとより理解が深まると思われるものはグラフの外で更に5年ほど前まで載せています。

売上高と営業利益等の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
売上高 42,905 65,225 108,249 156,508 170,910 182,795
営業利益 11,740 18,385 33,790 55,241 48,999 52,503

売上高と営業利益等、損益計算書項目の推移を示しています。

直近5年のグラフから見える表面上の数値では微量の成長程度に留まっています。注目すべきポイントはこの中身であり、着実にこれらの数字を構成する要素は変わってきています。

グラフの外にある2009年から見ていくと、驚異的な成長を遂げている事がわかります。10年で拡大から停滞、改革と更なる成長を実現しています。

営業利益と純利益の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益 11,740 18,385 33,790 55,241 48,999 52,503
純利益 12,066 18,540 34,205 55,763 50,155 39,510

金額としては前述のグラフ通り横ばいです。しかし、更に5年前と比べてみるといかに急成長を遂げたかがわかります。

今後展開されるコンテンツ系のビジネスはより利益率が高いので更なる利益率向上が期待できます。

営業利益率と純利益率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
営業利益率 27% 28% 31% 35% 29% 29%
純利益率 28% 28% 32% 36% 29% 22%

事業を拡大している最中である事や、米中貿易協議などの問題から利益率が落ちていますがサービス事業は軌道に乗った後の利益率が非常に高くもうすぐ底打ちすると見ています。

それ以前に、投資が嵩み利益率が低下しても20%超を安定して維持できているだけでも十分な数字です。

BPS・EPS・SPSの推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
EPS 9.22 8.31 9.21 11.91 11.89

以下は過去のデータになります。

2009 2010 2011 2012 2013 2014
EPS 1.3 2.16 3.95 6.31 5.68 6.45

自社株買いに積極的であるため、これらの数値は今後も勢いよく伸びていくでしょう。前述の投資の大きさから利益率にはまだ現れていませんが、一株当たりの売上高では着実な成長を見せています。順にBPS(一株当たりの純資産)EPS(一株当たり純利益)SPS(一株当たり売上高)を示しています。これらは一株当たりの価値を測る数字として有効です。

因みに2009年のEPSは1.3なので、現在は約9倍になっています。

貸借対照表

貸借対照表の概略です。ここでは特に流動比率を見ると良いでしょう。流動資産が流動負債の額を上回っていれば短期的な債務を早期に完済する事が出来ると見込まれるからです。しかし、流動資産にも即時換金できるものばかりではないため内容が重要な事に注意しましょう。流動比率200%超えや当座(現金同等物)比率100%超えがより厳密に見た安全性の指標とみなされています。

貸借対照表の内容は安定しています。注目なのはこの近年で現金の保有額が上がっています。

キャッシュフローの推移

2012 2013 2014
営業CF 50,856 53,666 59,713
投資CF -48,227 -33,774 -22,579
フリーCF 49,959 50,267 36,375

フリーキャッシュフローは株主にとっては特に重要で会社が自由に使えるお金を指します。これが内部留保になったり、配当・自社株買いの原資となるからです。営業キャッシュフローは営業活動による収支、投資キャッシュフローは投資活動による収支、財務キャッシュフローは借入金の返済や配当・自社株買いなどを表します。新規借入などを行った時はプラスになる事があります。

順調に推移しています。10年前比較と長期的には大きく成長を遂げております。

ROE・自己資本比率・営業キャッシュフローマージンの推移

2012 2013 2014
営業CFM 32.49% 31.40% 32.67%

こちらは経営の効率性を示すROE、健全性を示すROE、営業活動からどれだけ効率的にキャッシュフローを得ているかを示す営業キャッシュフローマージンです。

ROEが高い企業は設備投資や自社株買いを通じて資本を効率的に活用していることを示しているため、高ければ高いほど自己資本比率は下がる傾向にあります。

自己資本比率はその名の通り総資産に占める自己資本の割合で計算されます。

営業キャッシュフローマージンは売上高のうちどれだけの金額を現金で得る事ができたかを見る指標です。高いほど売上額から経費をかけず会社に現金収入をもたらしていると言えます。営業キャッシュフローが営業利益を下回る場合はその営業利益が現金ではない別の入り方をしている事に注意しましょう。

一概に言えるものではありませんが、15%を超えていれば良好と言えるでしょう。

健全性を示す自己資本比率は安定的に推移しており、経営の効率性を示すROEも非常に高くなっています。

営業キャッシュフローマージンは収益力が反映されています。30%前後で安定しているというのはとても優秀で非常に素晴らしい数値を出している事がわかります。

設備投資額と研究開発費の推移

設備投資の多い会社は成長企業と見られ、将来が期待されている事が多いです。中には維持費的なものもあるので多額の設備投資が何を目的にしているかは見極める必要があります。

設備投資額は大きな額であるものの比較的横ばいです。これは設備の維持費というよりも将来の収益拡大に向けた前向きな設備投資であることを考えると特に不安はないでしょう。

研究開発費も年々増えています。これが次々と進化し続ける新機能を生み出しています。

アップル(Apple)【AAPL】の株主還元

配当と配当性向・増配率の推移

2009 2010 2011 2012 2013 2014
配当 0 0 0 0.38 1.64 1.82
配当性向(%) 0% 0% 0% 6% 29% 28%
増配率 332% 11%

 配当金と配当性向の推移を記載しています。

Appleは1998年に一旦配当を停止していましたが、2012年に現在の配当を再開しました。再開後は積極的な増配で株主に還元をしています。

増配年数は7年でこの余力を見るに増配傾向は今後も続いていくでしょう。

発行済み株式数の推移

大きく成長したキャッシュフローを背景に自社株買いという形でも株主還元を続けています。その規模も大きく1株当たりの価値を高めるのを加速させています。

 自社株買いなどによって発行済み株式数が減るほど、一株当たりの価値は向上し株主に利益をもたらします。

まとめ

万年割安株などと一時は呼ばれていたAppleですが、OSからハードまで自社で一貫して手掛けるシステムを活かし、サービス事業で多くの収益を得る企業に生まれ変わりつつあります。

これによりAppleへの投資家の見方は大きく変わりました。私も多くのApple製品を使っており多くの面でAppleに注目し続けています。

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